さっきからスマホ見てるけど何見てるの？

…なんで隠すの？
俺には見せられないもの？

まさか…浮気…？

違うなら何見てたか教えてよ。
…もういいし…。

隙ありっ！

…俺の隠し撮り？
これさっき撮ったの？

ふぅーん。
…削除…っと。

こんなのより俺を見てよ。

もしもし？
今大丈夫？

寝るところだった？

ごめん。
ちょっとだけ時間ちょうだい。
声聞きたくて…。

仕方ないじゃん。
会えてないんだもん。

あぁ…ヤバイ…。
声聞いたら会いたくなってきた…。

ダメ元で聞いてもいい？

…あのさ……今から会いに行ってもいい？

ただい…ま…。

ねぇ、ねぇ。
もう1回『おかえりなさい』って言って？

ヤバイ…。
すっごくいい…。

一気に今日の疲れが吹き飛んだ。
ほんと、ほんとっ！
嘘じゃないって。

……ねぇ、お願いがあるんだけど…。

…明日も言ってくれない？
『おかえりなさい』って。

ほら、急いで！
だから二度寝するなって言ったんじゃん。

忘れ物ない？

これも一緒に持っていって。
おにぎり作ったから。
具は君の好きなの入れといた。

何も食べなかったらお昼までもたないでしょ。
時間ある時にパパッと食べて。

気を付けていってらっしゃい。

手伝ってくれるの？
ありがとう。

これ盛り付けてもらっていい？

ふふ。
なんか、こうやって一緒にキッチンに立つっていいね。

新婚さんみたいじゃない？

そんなこと思わないの？

えぇー！？
俺だけ？

…でも、そう遠くない未来に実現するかもよ？
家族になるの。

行ってらっしゃい。
気を付けてね。

…めちゃくちゃ寂しいに決まってるじゃん！
ほんとは行ってほしくないよ。

でも『行かないで』なんて女々しいこと言ったらかっこ悪いじゃん…。

言ってもいいの？
かっこ悪くてもいいの？

…行かないで。
ここにいて。
お願い…。

見ぃーつけた！
それで隠れてるつもり？

バレバレだったよ？
足元見て。

そう。足跡。

雪降ってたから足跡辿ってきた。
君の足跡見間違えるわけないよ。
彼氏だもん。

ほら、一緒に帰ろ？
いつまでもここにいたら風邪ひいちゃう。

で、帰ったら仲直りしよ？
…ね？

君と過ごした日々。
毎日がかけがえのないもの。

春のお花見
夏の花火大会
秋の紅葉狩り
冬のホワイトクリスマス

ほかにもいっぱいある。
君と過ごした日々の何気ない思い出。
どの思い出も絶対忘れない。

だって、君との思い出だから。
死ぬまでの僕の宝物。

目閉じて、手出して。

…目、開けていいよ。

これはどこの鍵でしょうか？

正解っ！
俺の家の鍵。

この鍵を君にプレゼントします。

寂しくなったら、いつでもおいで。
寂しくなくても、いつでもおいで。

ここは君の家でもあるんだから。
いつ来てもいいんだよ。

『私なんて…』って言わないで。

君は唯一の存在なんだから。
この世界に君の代わりになれる人はいないんだよ。
君は君じゃなきゃダメなんだよ。

まだ『私なんて…』って言うんだね。
どの口がそんなこと言っちゃうのかな？

チュ

…悪い口にはお仕置きは必要でしょ。

いきなり、何？
『愛してる』とか言ったことないのに…。

何でもないじゃないでしょ。
こら、逃げるな。
言い逃げなんてさせないよ。

俺だって…君に負けないくらい君のこと愛してるよ。
ほんと、ほんと。

何…その顔…。
緩みまくってるじゃん。

…って俺も一緒か。

はぁ…。
もうこの手離さなきゃいけない時間か…。
楽しい時間って、あっという間に過ぎちゃうよね。
ヤダなぁ…。
もっと一緒にいたい。

君も俺と同じ気持ちなの？
ほんとに？

ふふ。
ありがと。
嬉しい。

じゃぁさ…このまま君をお持ち帰りしてもいい？

背中に傷？
どこ？

あぁ…気にしなくていいよ。
どうせ夜になったらまた新しい傷が増えるし…。

えっ…気付いてないの？
この傷、君がつけたんだよ。

分からない？
じゃぁ、ヒントね。

毎日夜してることといえば？

ここまでいえば……分かるよね？

おいおい。
人が風呂に入ってる間にベッド占領すんなよ…。

ほんと気持ちよさそうに寝ちゃって…。
怒る気失せるわ…。

いくら幼馴染とはいえ、俺も男だってこと忘れてないか？
何されても文句言えないんだからな。

チュ

この続きはお前が起きてから……な？

先輩、教えてほしいことあるんですけど、今大丈夫ですか？
ここなんですけど…。

ん？
どうかしました？

『距離が近い』？

いつもこれくらいでしょ。
今更何言ってるんですか。

逃げないでくださいよ。

…捕まえた。
逃げられたらどこまでも追いかけますからね。

緊張してる？

じゃぁ、手のひらに『人』って3回書いて。

そしたらパクって食べて。

…どう？
まだ緊張解けない？

仕方ないなぁ。
こっちおいで。

ギュ

大丈夫だよ。
今までいっぱいがんばってきたんだもん。
絶対成功する。

離れていても心はそばにいるよ。

付き合うって、毎日がドキドキでキラキラの連続。

君のかわいさも、愛しさも、何もかも全部自分の中に隠してしまいたい。
誰にも見せたくない。

自分がここまで欲深い人間だったなんて君と付き合うまで知らなかった。

…こんな俺にした責任取ってくれますか？

自分の部屋に行くの？
仕事？

じゃぁ、その前に…。

ギュ

つらい仕事かもだけど無理しないでね。

気づかないと思った？

ふふ。
君のちょっとした変化も見逃すわけないじゃん。
だって彼氏だもん。

つらくなったら、いつでもおいで。
いっぱいギューしてあげる。

俺の質問に答えてね。

1+1=？

残念。
2じゃないんだよ。
3にも4にもそれ以上にもなるんだよ。
分かんない？

あのね、もし俺たちが一緒になって、将来子供ができたら3にも4にもなるでしょ？

ふふ。
そういうこと。

だからね……俺と結婚してください。

部屋の掃除してるの？
俺も手伝うよ。

あっ…見つけたっ！

覚えてない？
俺の誕生日に君がくれた手袋。
すっごい気に入ってたから、なくしちゃってショックだったんだ。

はぁ！？
捨てるわけないじゃん。

だって、君からのプレゼントは全部俺の大切な宝物だもん。

もう会いたくない…？

なんで？
どうして？
俺、イヤなことしてた？

違うなら、ちゃんと理由を教えてよ。

『俺に溺れたくない』？

何を今更そんなこと言ってるの？

俺はずっと前から君に溺れてるよ。
もう引き返せないんだよ。

…2人で一緒に溺れようよ。

はぁ…はぁ…

やっと見つけた…。
今までどこに行ってたんだよ…。

大人が迷子の放送されるなよ。
迎えに行く俺の身にもなれって。
めちゃくちゃ恥ずかしかったんだから。

ほら。
手、出せよ。

目離したらまた迷子になるかもしれないだろ？
だから、手、繋ご？

もう知らないっ！

…どうしても許してほしいの？

じゃぁ、今から言う2つで君の好きな方選んで。
ギューされるか、チューされるか。

制限時間は5秒。
…はい、スタート。

えぇ！？
『どっちも』とか…ワガママだなぁ…。

ギュ

そんなところも好きだよ。

チュ

どこに行くのも、何をやるのも、君の自由だよ。
俺はそれを奪うつもりも、止めるつもりもない。
君の気が済むまで、トコトンやっておいで。
応援してる。

でも、これだけは忘れないで。

つらくなったら、いつでも帰ってきていいよ。
君の帰る場所はここだから。

何悩んでるの？

…その悩み、俺に話してくれない？

俺に話したからって、君の悩みが解決するとは言えない。
でも、一緒に悩ませてほしいんだ。
少しでも君の力になりたい。
…全然頼りないかもしれないけど…。

君と一緒に悩む権利を俺にください。

あれ？
珍しい。
サボり？

俺もサボり。

いつもいい子でいるのも疲れるんだって。
たまには息抜きも必要じゃん？

ここ誰も来ない穴場だったんだけどなぁ。
お前が来るなら場所変えようかな…。

サボりの共犯？
…いいこと言うじゃん。

このことは俺とお前の秘密な？

何怒ってるの？

さっきの聞いちゃった？
俺の悪口…。

何で君が泣くの？
泣かなくていいんだよ。
俺は全然気にしてないから。

あんなこと、どうでもいいよ。
他の奴らなんて気にする必要なんてない。

君がそばにいてくれるだけでいいんだから。
それが俺の幸せ。

うぅ…寒…。
暖房つけてるのに、全然効かないなぁ…。

ちょっとこっち来て。
一緒にあったまろう？
ね？

ふふ。
あったかい。
寒い時は人肌で温めるといいって言うじゃん。

えっ…人肌って裸で温めないといけないの？

…じゃぁ……裸で温めあっちゃう？

これ、最初の旅行の時の写真？

へぇー。
この旅行、いつ行ったっけ？

えっ！
もうそんなに経つんだ。

君はだいぶ変わったよね。
この頃はかわいかったけど今は綺麗になった。

お世辞じゃないって。
ほんとだよ。
信じて。

…この唇に熱いキスをすれば信じてくれる？

おみくじ、何だった？
見せてよ。

…凶？
そっか…。

俺は……大吉…。

落ち込まないで。
いいこと思いついたっ！

君の凶と俺の大吉、半分こしない？

凶と大吉。
たして2で割れば、末吉くらい？
ちょっとずつ運勢よくなりそうじゃん。

ね？
いい考えだと思わない？

ちょっと待って。

やだ。

ねぇー、やだ。

それ以上言わないで。
お願いだから。

その先は俺が言いたいの。
俺のセリフだから、取っちゃやだ。

…言ってもいい？

（咳払い）

君のことが好き…です…。
ずっと一緒にいたいです。
だから、俺と付き合ってください。