天蘭-soran-
voice:天蘭-soran-
天沢しぃ汰
voice:天沢しぃ汰

甘えたいけど素直に甘えられない猫系彼氏

(自販機で水購入 → 水を数口飲む)

(彼女、登場)

お疲れ。

この時間にいるってことは、残業?

珍しいね。
忙しいの?

そっか…。
無理しない程度にがんばりなよ。

自分を追い込むのも時には大事だけど、君の場合やりすぎるから心配…。

そりゃ、心配するよ。
どんなに言ったって、いっつも無理ばっかして倒れる寸前になるのは、どこの誰?

悪いと思ってるなら、最初から気を付けてよね。

……ん?
ジッとこっち見て、俺の顔に何かついてる?

えっ!?
そんなに疲れた顔してる?
マジ?

(溜息)はぁ…。
……かっこ悪…。

俺の方も今修羅場な感じでさ、やんなきゃいけないこと山積み。
やってもやっても終わりが見えないから、精神的にキてるのかも…。
全部投げ出して、ここから逃げたい…。

いやいや…。
ほんとに逃げたら、ただのバカじゃん。
逃げるわけないでしょ。
そこまで無責任じゃないし。

がんばるのは当たり前。
逃げたいけど、やり遂げる。
それが大人ってもんでしょ。

……勝手に、頭撫でないでよ。
撫でていいって言ってないのに…。

ちょっ……誰がやめてって言った?

……撫でたいなら、好きにすれば?

(嬉しそうに)…ふふ。

褒められて嬉しくない人はいなくない?
自分のがんばりを認めてもらうのは大人も子供も関係ないよ。
嬉しいものは嬉しい。
君だって、そうじゃない?

『終わったらやりたいこと』?

……そうだなぁ…。
なーんにも考えずに、家でゴロゴロしたい。
溜まってるサブスクの映画見たり、動画見たり、ゲームしたり…。

連休が取れるなら、ちょっと遠くに出かけてもいいかなぁ。
一泊二日とかで。
おいしい物いっぱい食べたり、温泉に入ったり…。

とにかく時間を気にせず、のんびり過ごしたい。

温泉、行きたいの?

いいよ。
行こ。

……何?
『まさかOKしてもらえるなんて思ってなかったんだけど』みたいな顔。

普通に失礼じゃない?
温泉嫌いじゃないし、俺だってたまには出かけたいと思うよ。
がんばった自分へのご褒美じゃないけどさ…。

ってか、そもそもイヤだったら言い出したりしないし。

(彼女が撫でるのをやめる → 抱きついてくる)

ねぇ……抱きつかないでくれない?
ここが会社だってこと、忘れてるでしょ?
定時過ぎたとはいえ、誰かに見られるかもしれないよ?

ね?
いい子だから、離れて。

なんで『ヤダ』?

はいはい。
甘えたいのね。

甘えたいなら、お好きにどうぞ。
好きなだけ甘えさせてあげる。

まずはギューってすればいいの?

(彼女を抱きしめる)

こんなので、満足できる?

ふぅーん。
安上がりだね。
俺としては、この程度じゃ無理だけど…。

キスもしてくれなきゃイヤ。

……したいの?

なんか、さっきから後出しじゃんけんみたいじゃない?
俺が言ってから『行きたい』とか『やってほしい』って言うの…。

まるで俺がしたいって言ってるみたいで、ヤダ…。

どうしてもしたいなら、君からキスしておいでよ。
目、瞑っててあげるからさ。

早くしないと、ほんとに誰かに見られちゃうよ?

(触れるだけのキス)

これでいい?

(ご機嫌ななめな彼女)

どうしたの?
なんか不満だった?
ほっぺ膨らませてるだけじゃ、全然分かんない。

背伸びしてキスするのは、イヤだったの?

じゃぁ、『しゃがんで』って言ってよ。
さすがにエスパーじゃないから、気持ちまで気付いてあげらんないって。

(しゃがんであげる)

これなら、背伸びしなくてもキスできるよね?

……満足そうな顔しちゃって…。

いいよ。
好きなだけキスして。

(濃厚なキス)

満足できた?

ん。
なら、よかった。

げっ……ほんのちょっと休憩の予定が、めっちゃ時間経ってる…。
うーわ…最悪…。

全部君のせいだし…。

ちょっと愚痴ってストレス発散させたらすぐ仕事に戻るつもりだったのに、なぜか甘えさせてあげる流れになってたじゃん。
おかげで、無駄な時間を過ごすハメになった。

とはいえ、気分転換にはなったかな。

(背伸び)ん゛ん゛ーっ!
あとちょっとだけ、がんばりますかっ!

仕事、何時くらいに終わりそう?

じゃぁ、同じくらいには終わらせるから、一緒に帰ろ?
今夜、一緒にいろいろ楽しみたいことあるし…。

あれ?
今の続きしたいんじゃないかなって思ってたんだけど、違った?
俺の勘違い?

かわいい顔して、うるうるお目目で見つめてきても無駄。
続きがしたいなら、ちゃんとお願いできるよね?
いつも言ってるみたいに。

別にしなくてもいいよ?
しなかったら、してあげないだけだから。

……どっちがいい?

ん。
よく言えました。

夜まで、いい子で待っててね。

(自販機で彼女の好きな飲み物を買う)

ん。
これあげる。
好きでしょ?

(ドヤァな感じで)当然っ!
彼女の好みくらい把握してるし。

これ飲みつつ、仕事がんばって。