天蘭-soran-
voice:天蘭-soran-

彼女が最推しのオタクな彼氏

(鼻歌)

ん?
機嫌がいいというか……今、ちょっと楽しくって…。

今度推しにプレゼントしようと思ってて、何がいいかなぁって考えてたところ。

好きな人にプレゼントするのって、やっぱいいよね。
貰う方もワクワクするけど、あげる方もワクワクしちゃう。

だって、何をプレゼントしたら一番喜んでくれるかなって考えるの、楽しくない?
「こっちがいいかな?でも、こっちも捨てがたいし…」って、相手のことばっか考えて…。

(想像したように)……ふふ。
控えめに言って、最高だよね。

うん。
推し事、楽しいよ。

君も分かるでしょ?
推し事してるんだし…。

……どうしたの?

一瞬暗い顔したじゃん。
見逃すわけないよ。

もしかして、推しとはいえ、一番身近にいる自分がほったらかしにされてるのが許せない?

そっか。そっか。
許せないか…。
でも、許してもらわなきゃいけないんだよなぁ…。

僕の推しは……君なんだもん。

嘘じゃないよ。
ほんと。

僕の最推しは君。
今悩んでたのも、君へのプレゼントを考えてたの。

別に記念日とか誕生日とかじゃないけど、ふと「プレゼントしたいなぁ」って思ってね。
こんなことが理由じゃダメ……かな…?

お礼なんていいよ。
僕が勝手にやってることなんだから。
君は気にせず、受け取って。

ん?
今見てたの?
新作のコスメ見てた。

メイクのことは分かんないけど、いろいろ種類があるんだね。
初めて知ったよ。

一緒に見る?

じゃぁ、こっち来て。

(彼女が隣に座る)

これとかどうかなって思ったんだけど…。

(溜息)はぁ…。
あのさ……君がプレゼント選ぶ時に1番大事にするのって値段?
少しでも自分の財布が痛まないように似たようなもので安物を選ぶの?

違うよね?
プレゼントする相手が喜んでくれそうとか、似合いそうとか、そういうのを考えて選ぶじゃん?

僕のこれも、そう。
すっぴんでもかわいい君が僕のために日々メイクしてさらにかわいくなってくれてる。
そのお礼。
ささやかな「ありがとう」の気持ち。

はぁ!?
今自分のこと『かわいくない』って言った?

どこを見てかわいくないなんて言うの?
全部かわいいのに…。

テーブルの脚に足の小指ぶつけてもだえてる姿とか、歯磨きの時に歯磨き粉と洗顔料を間違えてウエッってなってる姿とか、ご飯作ってくれた時に砂糖と塩間違えちゃった時とか…。

ちょっ……なんで怒るの?
そんなにプリプリ怒んなくてもよくない?

だって、失敗してる姿が特別かわいくてたまんないんだもん。
ドジっ子なところもかわいい君が悪いんだから、仕方ないじゃん?

もちろん、普段も十分すぎるほどに、かわいいよ?
朝起こしても『うん…起きる…』って返事しながらそのまま二度寝しちゃう姿とか、ふと目が合った時にニコッて笑いかけてくれる姿とか、ご飯をほっぺいっぱいに頬張ってモグモグしてる姿とか…。
どんな姿の君を見てもかわいくて、癒されちゃうんだよね。

だから、同担拒否で、ガチ恋してますっ!!

同担してるヤツがいたら、徹底的に潰しにいくかも…。
どれだけ君のことを愛してるか、僕の愛の重さを思い知らせてやる…。

うん。
マジだよ。

……ねぇ。
ガチ恋で君の一番のファンである僕にファンサしてほしいな?

ファンサって言っても、そんなに難しく考えなくていいよ。

んー……そうだなぁ…。
まずは定番で、投げキッスしてほしい。

僕にむかって、愛を込めて。

(彼女が投げキッスしてくれる)

あ゛ぁ゛…もうヤバい…。
心のアルバムに保存完了…。

しまった!
動画撮っとけばよかった…。
そしたら、君が足りなくて補充したい時とか、僕のやる気を維持しないといけない時に、いつでもどこでもかわいい君を見て補充できるでしょ?

動画は恥ずかしいの?
ん゛ー……じゃぁ、写真なら?
ファンサ的に言えば、チェキかな。

ほら。
こういうの。

二人で撮ったことなかったし、いい記念になりそうじゃん?
ね?

もっと寄って。寄って。

撮るよ?

はい、チーズ。

(シャッター音)

天使降臨…。
マジかわいい…。
最高すぎる…。

これ、待ち受けにしていい?

うん。
誰にも見せないって約束する。
ってか、見せたくない。
こんなにかわいい君を知ってるのは、僕だけで十分だもん。

やったー!
ありがとう。

『この程度のこと』って言うけどね、推しとのツーショットはマジで宝物なんだから。

(ブツブツと)あとでバックアップとバックアップのバックアップを取っとかないと…。

ん?
あぁ、こっちの話。

……で、最初の話に戻るんだけど、今欲しい物ってない?

服でもいいし、コスメでもいいし、アクセサリーでもいいし…。
何でもいいから、教えてくれない?

君が欲しい物をプレゼントしたいんだもん。

まぁ、パッと思いついたりはしないか…。
思いついたら、教えてね?
絶対だよ?

僕の全てをもって、君のこと推すから、君も僕の推し活に協力してね?