ゲームの賭けに負けて兄を罵るツンデレ妹

(兄が起きてくる)

(妹、ゲームをしている)※以下、ゲームしたまま

おはよ、お(にい)
もうお昼過ぎちゃってるよ?

せっかくの休みなのに、お昼過ぎまで寝てるとか時間がもったいなくない?

(コントローラーの操作音、終わり)

よしっ!
勝ったぁー!

そ。
ここ最近ハマってるゲーム。

今1番難しいモードでやってるんだけど、なかなかボスに勝てなくてさ…。
やっと勝てたんだよね。

(しみじみと)苦労した分、達成感半端ないわぁ。

え?
(にい)と対戦?
今から?

……ヤダ。

だって、お(にい)弱すぎなんだもん。
練習相手にもなんないし、つまんない。

ハンデ?
そんなのあったところで、お(にい)が負けるのは確定でしょ。
ゲームのセンスないのに…。

……まぁ、いいよ。
別のゲームして気分転換したいなぁって思ってたとこだったし、ハンデありで対戦してあげる。

ワンチャンお(にい)が勝つ可能性があるハンデっていうと……そうだなぁ……アタシのHPを1/4まで減らした状態で対戦するとか、どう?

決まりね。

(ゲームを準備する)(コントローラーの操作音、開始)

まさかお(にい)相手に接待ゲームするなんて思ってもみなかったよ。
優しい妹に心の底から感謝してよね?

準備できた。

(にい)から好きなキャラ選んでいいよ。
ついでに、アタシの使うキャラも決めて。
アタシが選んで勝ったら、『使い慣れてるキャラだ!』とか、(難癖なんくせ)つけられそうだし…。

これ?
OK。

賭け?
そんなことしていいの?
不利なのはお(にい)だよ?

ふぅーん。
(にい)がいいなら、いいよ。
で、賭けの内容は?

負けた方が勝った方の言うことを聞くの?

……ベタすぎて、おもしろくない…。

文句じゃないし。
事実なだけじゃん。

グダグダ言ってる間に始めるよ。

(ゲーム開始)

まずはお(にい)が適当に攻撃してアタシのHP減らして。

(兄が攻撃して自分のHPを減らしている)

(にい)には悪いけど、ここまでのハンデあげたとしても負ける気がしない。
今回も勝つから。

HPもある程度減ったし、そろそろやりますか。
5秒前からカウントダウンね。

5……4……3……2……1……0っ!!

(手加減なしの攻撃を兄にする)

(煽る感じで)ほら!ほら!ほら!
どんどんHP削られちゃってるよ?
このままじゃ負けちゃうよ?

(兄がまさかの大技を決めにくる)

えっ……大技!?
ちょっと待った!
ゲーム下手くそなくせに生意気な…。

うーわ……負けた…。
こんなのまぐれに決まってる。
(にい)のくせに、綺麗に大技が決まるはずないもん。

……とはいえ、約束は約束。
(にい)の言うこと聞いてあげる。

何してほしいの?

はぁ!?
(ののし)ってほしい』って、『このブタ野郎!』みたいなことだよね?
それを妹にお願いって、マジで言ってる?

……分かった。

(女王様っぽく)妹相手にここまでハンデもらわないと勝てないような(雑魚ざこ)のくせに、全戦全勝したみたいなドヤ顔するのやめてくれない?
普通にムカつく。

しかも『(ののし)ってほしい』なんてガチトーンで言うとか、どうしようもないクソ野郎じゃん。

どうせ、いつもそんなことばっか妄想してるんでしょ?

きっも…。
普通に引くわ…。

(にい)のこと、もう少しまともだと思ってたのに…。
みっともなくて、外に出すのが恥ずかしいったら、ありゃしない…。

アタシに言ったようなこと、外では言わないでよ。
ぜっ・た・い・に!!

あと、近寄らないでね。
(にい)の変態がうつりそう…。

ちょっ…!
ニヤニヤするのやめて。
その顔、特級呪物並みにキモい…。
そんなんだから、彼女の一人もいないんだよ。

(女王様、終わり)

……もういい?
さすがに慣れないことすると疲れる…。

(伸びをしてる感じで)ん゛ん゛ーっ!
気分転換もできたし、さっきのゲームの続きしよっと…。

(コントローラーを操作する音)

あっ!お(にい)
今回アタシにまぐれとはいえ勝てたんだし、これを機にゲームの腕上げたら?
ハンデなし・手加減なしでアタシに勝てるようになったら、いいことばっかだよ。
兄の威厳も保てるし、いつでも(ののし)ってもらえるし…。
(にい)にとって悪い話じゃないでしょ?

ふふ。
がんばれ、お(にい)

(一人ゲームに戻る)