…おはよ。

ん？
あぁ、髪型…？
寝坊してセットできてないんだよね…。

『かわいい』とか言わないで。
男が『かわいい』って言われても嬉しくもなんともないの。
やっぱ『かっこいい』って言われたいし…。

ってか、恥ずかしいから、あんま見ないで…。

たっだいまーっ！

んー？
全然酔ってなーい。
だって、ほんのちょっとしか飲んでないもん。
それに、酔ってたらちゃんと家まで帰ってこれなくない？

でしょ？
ちゃんと家に帰ってこれてえらい？えらい？

…褒めて？

んふふ。
…君に褒められるの、好きぃ…。

ちょっと……どこ見てんの？

いつもならもう10回は目が合ってるはずなのに、全然合わせてくれない…。
俺に対する嫌がらせのつもり？

『別に…』じゃないっての！

少しくらいは俺の方向いてよ。
「嫌われるようなことしたかな？」って不安になるじゃん…。

ねぇ。
俺の「好き」の意味、ちゃんと分かって付き合うって言った？

友達としての「好き」じゃなくて、恋人としての「好き」だよ？
キスだってするし、ハグだってするし、それ以上のことだってするんだよ？

……ほんとにいいの？

ん。
ありがと。

…大好き。

感じてる声、超かわいい。
もっと出して。

えぇー。
なんで拒否るの？

……じゃぁ、分かった。
思いっきり気持ちよくさせればいいよね？
そしたら、自然と声も出ちゃうだろうし…。

ふぅーん。
声、我慢するんだ。

いいよ。
やれるもんなら、やってみな？

どうしたの？
そのリップ。
自分で選んだの？

お店の人のおすすめ、ね…。

全然似合ってないよ。
かわいくない。
さっさと落とした方がいいよ。

落とすのイヤなの？

だったら俺が落としてあげようか？
キスで。

自分で落とすか、俺に落とされるか…。
どっちがいい？

いらっしゃい……君か…。

なんで来たの？
もうここには来ちゃダメだって言ったのに…。
ほんと言うこと聞かない子だね。

それで、用件は何？

何もないのに来たの？

迷惑だから帰りなさい。

仕事の邪魔だって言ってるの。
…君が気になって仕事になりゃしない…。

あのね……好きだよ。

好き。大好き…！

ごめんって。
怒んないで？

言いすぎなのは分かってる。
けど、今まで言いたくても言えなかったからさ…。
一度口にしたら好きって気持ちが溢れて止まんない。

今まで言えなかった分、いっぱい言わせてくれない？

なぁ。
俺ら付き合ってみる？

うまくいくかどうかなんて、付き合ってみなきゃ分かんなくね？
友達でもさ、付き合ってみたら意外とうまくいくかもしんねーじゃん？

俺はお前とでも全然付き合えるよ。

お前は？
俺とは無理？

ん。
じゃぁ、今日から恋人としてよろしく。

ねぇ。
アイス持ってきて。

ヤダよ。
暑いから動きたくないんだもん。

俺、バニラね。

ん？
ストロベリーは君の分だよ。
俺のアイス買うついでに君の分も一緒に買ってきた。

ほら。
どうでもいいこと言ってないで早く持ってきて。

…こっちで、一緒に食べよ？

お姉さんさぁ、子供の頃に言われなかった？
『知らない人はついていかないようにしましょう』って。

俺が悪い人だったらどうするの？
ナンパした俺が言うのもなんだけど…。

「信じてる」か…。

いくら信じてても男は狼なんだから、いけないことされてもしらないよ？

ねぇ。
「愛してる」って言ってくれない？
嘘でいいから…。

知ってるよ。
君が俺のことを好きとも嫌いとも思ってないことくらい。

でも、君からの「愛してる」がどうしても欲しくてたまらないんだ…。

たった一度でいい。
君の「愛してる」を俺にください。

うーわ…めっちゃ雨降ってんじゃん…。
超最悪…。

だって、服濡れるし、湿気で髪決まんないし…。
いいことなくない？

……雨、嫌い。

けど、君と付き合い始めて、雨のこと、ちょっとだけ好きになったよ。

こうやって、堂々と相合傘できるから。

ん？
調子悪そうに見える？

バレないように隠してたんだけどな…。
心配してくれてありがとう。
大丈夫だよ。

うぅん。
薬はいらない。
効かないから。

…不治の病だもん。

死んだりしないよ。
ただ苦しいだけ。

君が僕のことを好きになってくれる、その時まで…。

この期に及んでもまだ分かりませんか？

はぁ…。
では、ゴミ虫でも分かるように説明して差し上げます。

お前たちゴミ虫は坊ちゃまの視界から排除すべき、坊ちゃまの敵。
メイドの仕事は汚れ仕事を片付けることも含まれますので…。

…大人しく消されてください。

ただいまー。

あ゛ぁ゛…もう無理…。
休み明け、超疲れた…。
少しも動けない…。

ねぇ。
今日1日すっごくがんばったご褒美ちょうだい？

ギューでもいいし、チューでもいいし、両方でもいいよ？
できれば両方がいいなぁ。

…明日もがんばるために両方して…？

ねぇねぇ、お姉さん。
さっきからずっとスマホと睨めっこしてるけど誰かと待ち合わせ？

あっ！
ちょっと待って！待って！
逃げないでよ。

時間あるならちょっとお話しない？

嘘じゃないよ。
俺の目見て？

いきなりで悪いんだけど、一緒にいるの今日で最後にしようぜ。

別にお前のことが嫌いになったとかじゃなくて……ただ単に俺の気持ちが変わっただけ…。

理由？

言ってもいいけど、ちゃんと受け止めるって約束してくれ。
いいな？

……お前のことが好きだ。

もしもーし。
俺、俺。

ちょい待てっ！
詐欺電話じゃねーよ。

笑ってごまかしても半分くらいマジで電話切ろうとしてたくせに…。

あのさ、明日暇？

だったら、遊びに行かん？

ん。
決まりな。

朝10時、お前の家まで迎えに行くから、ちゃんと準備しとけよ？

ねぇ。
どっか行きたいとこある？

いや……ここんとこ、ずっと仕事ばっかだったじゃん？
寂しい思いさせてたし、そのお詫び。

…もぅ…。
『一緒にいられるだけでいい』ってのは嬉しいけど、答えとしては0点。

俺のワガママだと思って、行きたいとこ言って？

…ね？

おかえり。
いつ帰ってきてたんだ？

ふぅーん。
そっか…。

それより、1人暮らしはどうだ？
ちゃんと飯食ってたか？

『自分で作ってた』？

マジで？
なんか嘘くせー。

ぜってーめんどくさがってカップ麵ばっか食ってただろ？
正直に言ってみ？
誰にも言わねーから。

ねぇ。
どこ行くの？

ふぅーん。
何分で戻ってくる？

えぇ……ヤダ。
行ってほしくないんだけど…。

だって、君が行っちゃったら俺一人になっちゃうじゃん。
一緒に何かするわけじゃないけど、一人でいるのはイヤなの。

お願いだから、行かないで…？