(パソコンに向かって作業中)
(彼女:「コーヒー淹れるけど、いる?」)
ん?
コーヒー?
んー……今はいいや。
ありがと。
(作業再開)
(彼女:彼の隣に座る)
なんで隣に座るの?
邪魔なんだけど…。
(スンスン匂いを嗅ぐ)
ねぇ。
豆、変えた?
匂いがいつもと違う気がする。
(彼女:「うん。ちょっといい豆が安売りしてたの」)
やっぱり!
俺も飲みたい。
今から
(彼女:「『いらない』って言ったじゃん」)
さっきまでは飲みたい気分じゃなかったの。
お湯沸かしたばっかなんだし、すぐ
(彼女:「自分で淹れたら?」)
自分で
見ての通り作業中だから、手が離せない。
ね?
お願い。
(彼女:「仕方ないなぁ…。今回だけだからね?」)
ん。
ありがと。
じゃぁ、ついでにリクエスト。
砂糖とミルク多めでよろしく。
(彼女:「いいけど、あとで私のリクエストも聞いてね?」)
えぇー!?
君からもリクエスト!?
ん゛ー……1つだけね?
俺も1つしかしてないし。
(彼女:「2つしたじゃん!」)
残念でした。
コーヒー
(彼女:「屁理屈っ!」)
『頭脳派』と言って。
(彼女:コーヒーを淹れて戻ってくる)
ありがと。
んーっ!いい匂い。
(ひと口飲む)
…おいしい…。
で、君からのリクエストは何?
(彼女:「ちょっとだけ目瞑ってて」)
目
変なイタズラとかしないでよ?
イタズラだったら、怒るからね?
(彼女:彼の頭に猫耳カチューシャを付ける)
えっ!?
何っ!?
頭に何付けたの?
(彼女:「まだ目開けていいって言ってないのに…」)
いきなり何か付けられたらびっくりして、目開けるって…。
(頭を確認しながら)で、何コレ?
…猫耳!?
(ムッとして)……取っていい?
(彼女:「取っちゃダメ!」)
なんで取っちゃダメなの?
こんなの俺が付けててもかわいくもないのに…。
(彼女:「リクエスト聞いてくんないんだ…」)
…分かったよ…。
付けとくって。
でも、コーヒー飲み終わるまでだからね?
(彼女:「あと、語尾は『にゃ』を付けてね」)
はぁ!?
語尾を『にゃ』とか…。
「リクエストは1つ」って言ったじゃん。
(彼女:「猫耳がリクエストで、『にゃ』がお願いだもん」)
猫耳がリクエストで、『にゃ』がお願いとか…。
普通にズルい。
(彼女:「どこが?」)
だって、俺のやったことパクってんじゃん。
これをズルいと言わずして、何て言うの?
(彼女:「今回だけだから。ね?」)
(溜息)…はぁ…。
はいはい。
分かりましたよぉー。
やればいいんでしょ。
やれば。
ったく…。
(深い深呼吸1回)
……このあと、何か予定あるのかにゃ?
(彼女:「特にないよ。君は?」)
俺?
俺は今やってる作業が終わったら暇になるにゃ。
だから、お昼寝するつもりにゃ。
ずっと作業しっぱなしで疲れたし、ちょっと休みたい気分だにゃ。
できれば…その時膝枕してほしいにゃ…?
(彼女:「なんでよ!」)
がんばって作業したご褒美くらいあってもいいと思うにゃ!
ご褒美!ご褒美!
(彼女:「がんばってるのは認めるけど、膝枕はダメ」)
(拗ねた感じで)むぅ…。
膝枕がダメなら、一緒に寝たいにゃ。
ここで寝たら絶対気持ちいいにゃ。
ポカポカして。
それとも、ベッド行くにゃ?
そしたら、お昼寝どころじゃ済まなくなるけど…いいのかにゃ?
ねぇ?
どっちにするにゃ?
ここ?ベッド?
君の好きな方を選ぶにゃ。
俺はどっちでもいいからにゃ。
……あっ。
コーヒー終わった。
(彼女:「…急に甘えてこないでよ」)
ん?
甘えてほしかったんでしょ?
だから、『にゃ』って付けてほしいなんて言ったんじゃないの?
(彼女:「そういうつもりは…」)
そういうつもりがなかったとしたら、俺が「もういい!」って投げ出すと思ったとか?
(彼女:黙って頷く)
バーカ。
んなことするわけないじゃん。
俺のこと舐めすぎ。
はい。
猫耳、返す。
じゃぁ、今から作業に戻るから邪魔しないでね。
30分で終わらせるから、さっきの話どっちにするか、作業終わるまでにちゃんと決めといて。
(耳元で)分かったかにゃ?