ひょん
voice:ひょん
けいとvoice_ch
voice:けいとvoice_ch
須田一輝 シチュボ 声優
voice:須田一輝 シチュボ 声優
山下さんから着信です
voice:山下さんから着信です
鴉丸コウ【女性向けASMR&シチュエーションボイス】
voice:鴉丸コウ【女性向けASMR&シチュエーションボイス】
鴉丸コウ【女性向けASMR&シチュエーションボイス】
voice:鴉丸コウ【女性向けASMR&シチュエーションボイス】

俺様ツンデレ吸血鬼の不器用な気遣い

(部屋の扉をノックして入ってくる)

…起きてるか?
調子はどうだ?

そうか…。
大丈夫ならいいが…嘘じゃねーだろうな?

(彼女に触れる)

触った感じ、熱はなさそうだな…。
…お前、下僕の(分際ぶんざい)で主人である俺様に平気で嘘()くから、お前の言葉は簡単に信じねーって決めた。

そんなことあったから言ってんだっつーの!
熱出した次の日、全然熱下がってねーのに、『もう平気です』なんて言ったのは、どこのどいつだよ?
無理しようとするからなかなか熱も下がらなくて、結局あれから3日もかかって、やっと落ち着いたくせに…。

たしかに1日で治せとは言ったが、んなもん冗談に決まってんだろ。
本気で1日で治るなんて思ってねーよ。

……前から思ってたけど、お前…がんばりすぎ…。
よくもまぁ今まで毎日休まずにいて、元気だったよな。
いくら人間の体は(やわ)じゃねーっつっても、少しは(いたわ)ってやんねーと、いつかぶっ壊れんぞ?

『はいはい』ってお前なぁ…。
俺様の言葉を適当に聞いてんじゃねーよ。

…心配してる俺様がバカみてーじゃん…。

あ゛ぁ゛?
飯?

何?お前、腹減ってんの?
じゃぁ、作ってきてやんよ。
何が()いたい?

『そうじゃない』って…?

あぁ……俺様の…。

別にいい。
まだいらね。

お前、()()がりじゃん。
そんな状態で血なんか吸えねーよ。

…なんでそんなに吸ってほしいわけ?
なんか理由あんのかよ?

黙るってことはなんかあんな?

話せ。
今すぐ。

『ヤダ』じゃねーよ。
ちゃんと理由言わねーと今後一切吸ってやんねー。

おら。
さっさと言え。

(彼女がポツリポツリと話し出す)

……バーカ。

お前をここに置いてるのは血を吸うためだけじゃねーよ。
じゃなきゃ、お前みたいなクソ生意気な小娘、とっとと追い出してるわ。

お前は文句言いつつも俺様の言うこと聞くし、何も言わなくても空気読んで理解してくれるし…。
今まで出会った人間の中で1番気に入ってんだよ。
だから、今はくだらねーこと考えずに、自分の体を治すことだけを考えろ。

(舌打ち)チッ…。

さっきから聞いてりゃ、ガタガタうるせーな。
だったら、お前の体に聞いてやる。

血を吸ってやるっつってんの!
いつもの味じゃなきゃ、今日も休め。

これは命令。
いいな?

おら。
首、出せ。

今度は何だよ!?
さっきから『吸え』っつったり、『ヤダ』っつったり…。

風呂ぉ…?

別に3日入ってなくても気にしねーよ。
舐めときゃ綺麗になんだろ。

……もう黙れ…。

(彼女の首筋から血を吸う)

……ん。
ほぼ完治に違いねー…けど、あと1歩ってとこだな。
旨味が足りねー。

ってことで、今日も1日休め。
いいもん腹いっぱい食って寝れば、明日にはいつものお前に戻れる。

ほんとだって。
嘘じゃねーよ。
そもそも、こんなことで嘘()いて誰に何の得があんだよ?

…熱出して、とうとう本物のバカになっちまったのか?

あのなぁ……その辺の医者よりは俺の診断の方が的確に決まってんだろ。
お前の体に直接聞いてんだから。
(伊達だて)にお前の血吸ってねーよ。

で、何が()いたい?
何でも用意してやる。

お前が元気になるためならな。