天蘭-soran- VoiceChannel
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ベルくん
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やぴさん。
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はなまき.
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かたりべ
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彼女に知らない匂いが付いてて嫉妬する年下犬系彼氏

おかえりなさい。

今日はどうしたの?
急に『遅くなる』なんて連絡きたからびっくりしちゃった。

…仕事で何かあったの?

『謝りに行ってた』?
こんな時間に帰ってこないといけないような遠いところまで?

…そっか。
それで、許してもらえた?

よかったね。
許してもらえて。

夜遅くまで、ほんとにお疲れ様。

疲れてるかもだけど、食欲ある?
軽く食べられる物、作ったんだけど…。

無理なら食べなくてもいいよ。
明日食べればいいだけだし…。

ん。
じゃぁ、用意するから、そのまま座ってて。

いいって。
いっぱいお仕事がんばってきたんだもん。
すっごく疲れた、って顔に書いてるよ。
家にいる時くらいリラックスしなくちゃ。
ね?

ほら、ほら。
まずは、スーツ脱いで。
仕事モード、オフにしよ?

(彼女のスーツの上着を脱がす)

あれ…?
男物の香水…?

ねぇ。
さっき『謝りに行ってた』って言ったじゃん。
それって、1人で行ったんだよね?

えっ……先輩と2人…?

まさかとは思うけど、その先輩って、男?

…ふぅーん。

ちなみに、(先方せんぽう)までは何で行ったの?

会社の車!?
2人きりで?

いや、いや。
あり得ないんだけど…。

『何が?』じゃないよ。
車って密室でしょ。
その中で、男女が一緒にいたら、何か起きても不思議じゃないじゃん。

先輩に彼女がいても、いなくても、関係ないの!
男なんて、好きじゃない相手だって抱けるんだから。

俺?
俺は、君以外抱けない。
気持ち悪くて、くっつかれるのも、触られるのもイヤ。

って、俺の話じゃなくて!

ほんとに何もされてない?
キスとか、ハグとか…。
触られるようなこともなかった?

ほんとの、ほんとに?

分かった。
信じる。

…信じるから……俺の腕の中に来て…。

(彼女を強く抱きしめる)

(彼女の体の匂いを嗅ぐ)

何もなかったって信じてるけど、やっぱ無理…。
君の体から、俺以外の男の匂いがするの、つらすぎるよ…。
俺の匂い、全然しないんだもん…。

あっ…ごめん…。
痛くしちゃって…。

(彼女を解放する)

君が取られるって思ったら、無意識に(りき)んでた。

もうちょっとだけ、ギューってしたままでいてもいい?
君の体に俺の匂いを上書きさせて?

(再び彼女を抱きしめる)

…ねぇ。
俺のこと、好き?
ちゃんと、好きでいてくれてる?

ん……ありがと…。
なんだか、すごく不安になっちゃった…。

君が遠くに行っちゃうんじゃないかって…。
そんなことないって分かってるんだけど、どうしても…ね…。

ううん。
俺の方こそ、疑ったりしてごめんね。

…もう疑ったりしないから、チューしてもいい?

ん…。

(触れるだけのリップ音)

よしっ!
じゃぁ、ご飯より先にお風呂にしよ。

さっきまでは先にご飯にしようと思ってたんだけど、今はお風呂が先なの。

…香水だけじゃなくて、タバコの匂いも(かす)かにするんだもん。
もしかして気付いてないの?

ギューってした時に匂いしたよ。
たぶん、髪についてるのかも。

…なんか、だんだんムカついてきた…。

仕事だから、仕方ないって分かってるけど、俺の知らないところで、君を独占されてたんだよ。
しかも、今の君は、知らない男に匂い付けられて、マーキングされてる状態…。
彼女を横取りされて落ち着いてられるわけないじゃん。

とにかく!
先にお風呂!
イヤな匂い、消さなきゃ。

俺もまだお風呂入ってなかったから、一緒に入ろ。

いいじゃん。
疲れて体洗うのもめんどくさいでしょ?
全身綺麗に洗ってあげる。
ついでに、ほんとに何もされてないかチェックもね。

君のことは信じてるよ。
これっぽっちも、疑ってない。
だけど、やっぱり自分の目で確かめないと。

大丈夫だよ。
確かめるだけだから、エッチぃことは、しないつもり。
君がかわいい声を出さなければ、の話だけど…。

ダーメ!
1人でお風呂に入るとか許さない。
どうしても1人でお風呂に入るっていうなら、手足縛って、1人でお風呂に入れないようにするから。

あ゛ぁ゛ー!
うるさいっ!

ぐだぐだ文句言ってないで、どっちか好きな方選んで。
一緒に入るか、手足縛られるか。
5秒以内に決めて。
決めなかったら、俺の好きなようにするからね。

5…
4…
3…

…なぁーんだ。
気づいちゃったんだ…。

どっちを選んでも、結局俺が綺麗に洗ってあげるってことに…。

だって、仕方ないじゃん。
好きなものは誰にも取られたくないんだもん。

…もう5秒経ったから、俺の好きにするね。

そんな不安そうな顔しないで。
ただ、君の体にマーキングするだけ。
”俺のだから、誰にも渡さない”って。

君の全部を俺でマーキングするまではもう止まれないから。
悪いけど、最後まで付き合ってね。