甘々付きっきり看病は大好きな人の特権

あっ、起きた?
おはよ。
気分、どう?
気持ち悪いとかない?

そっか…。
それなら、よかった。

おでこ、触るよ。
熱は…まだあるね。
ちゃんと熱測った?

ったく、もう…。
ちゃんと測らないとダメじゃん。

体温計、どこ?

…ここ?
んっと……あった。

はい、今すぐ測って。
い・い・か・ら!

(パートナーが体温を測り始める)

ご飯食べてる?

やっぱり…。
食欲ないかもしれないけど、少しでも食べないと体力なくなるよ?
それに、薬も飲めないし…。

ん?
ここにいることがそんなにびっくり?

『今日デート行けない。ごめん』
こんな要件だけしか書いてないメッセージ送られたら何かあると思って来るに決まってんじゃん。

この間(もら)った合鍵がさっそく役に立っちゃった。

(体温計が鳴る)

あっ、測れたね。
どれどれ…。
うん、熱あるね。

ダーメ。
見ちゃダメ。

(体温計をケースにしまう)

数字言ったら余計に体調悪くするもん。

今以上に体調悪くならないって絶対に言える?
そう言えちゃうくらいには熱あるよ。
それでも聞きたい?

じゃぁ、言わないっ。
まぁ、最初から言うつもりなかったけどね。

咳出てるし、熱あるし……たぶん風邪かな。
最近ずっと忙しくしてたから、きっと疲れが出たんだよ。

ちょっと待ってて。
お粥作ってくるから。

えっ!?
『お粥イヤ』とか言っちゃう!?

ワガママだなぁ…。
…じゃぁ、(雑炊ぞうすい)なら食べる?

ん。
分かった。
できるまで少し寝てて。
すぐ作って持ってきてあげるから。

(少し間を開ける)

…起きて。
ごめんね。
気持ちよく寝てるところ起こして。

(雑炊ぞうすい)作ってきたよ。
食べられるだけ食べて。

はい、どうぞ。
熱いから舌ヤケドしないように気を付けてね。

『あーん』って…食べさせてほしいの?

(溜息)はぁ…。
ほんとに…こういう時だけ甘えてくるんだから…。

(フーフーする)

はい、あーん。

…どう?
おいしい?

味が薄いのは当たり前。
風邪とかで体調悪い時はなるべく胃に負担かけないようにしないと。
そうじゃなくても体が弱ってるんだから…。
少しでも早くよくなるためには体に負担をかけないようにするのが1番なんだよ。
分かった?

素直でよろしい。
もうひと口食べる?

(フーフーする)

はい、あーん。

文句言ってたくせに、やけに嬉しそうに食べるね。

あぁ、手料理…。
確かに君に初めて作ったね。

雑炊くらい簡単だよ。
材料パパッと鍋に入れて火にかけちゃえば出来上がりだもん。

一応、料理くらいできるよ。
人並み程度には…。

得意料理?
んー、あんまり()った物でなければ何でも作れるよ。

あっ!そうだっ!
君が食べたい物、作ってあげるよ。
何でも作れるってところ、見せてあげる。

元気になったら何が食べたい?

ハンバーグ、ね…。
いいよ。
それなら君の好きなチーズ入り煮込みハンバーグ作ってあげようか?

ふふ。
風邪なんか、どっか行っちゃったみたいに元気になったね。

でも、まだ熱あるんだし、お薬飲んで、もう寝ようね。

ヤダじゃないって言ってるでしょ。
もう……ダダこねないの。

はい、薬。
水もね。

ちゃんとゴックンできた?
えらい、えらい。

じゃぁ、お布団入ろうね。
いい子だから。

ん?
どうしたの?

帰らないでいてほしいの?
寂しいから?

ふふ。
…かわいい。

今日は帰らないよ。
ずっと一緒にいてあげる。

じゃーんっ!
お泊りセット一式、持ってきちゃった。
早く風邪がよくなるように、つきっきりで看病してあげる。

はい、はい。
おしゃべりは、もうおしまい。
そろそろ寝ようね。
いつまでも起きてたら、治るものも治らないでしょ。

(つむ)って。
寝つくまでそばにいるから。

ヤダじゃないってば…。

仕方ないなぁ…。
手、(つな)いでてあげる。

これで安心して寝られるでしょ?

…おやすみ。
早くよくなってね。