マニキュアの色で彼女の様子が分かる彼氏

お風呂、気持ちよかった~

何してるの?

マニキュア塗ってるんだ。
もうすぐ終わる?

じゃぁ、君がマニキュア塗り終わるまで後ろから抱きしめてていい?
邪魔しないから。
ね?いいでしょ?

ありがと。

よいしょ。

(彼女を抱きしめる)ギュー

今塗ってる色、綺麗きれいだね。
君に似合ってて、俺、好きだよ。

(彼女の匂いを嗅ぐ)

お互いお風呂上がりだから、ボディソープの匂いとかシャンプーの匂いがする。
いい匂い。

同じの使ってても、君の匂いも少し混じって、全部まとめていい匂いになるの。
俺の好きな匂い。

(彼女の匂いを嗅ぐ)

もう終わったの?
早かったね。

……あのさ、マニキュアを乾燥させてる間、イチャイチャしよ?

だって、最近全然君とイチャイチャしてなかったんだよ?
イチャイチャしたいじゃん。

イチャイチャさせてください。
お願いします。

やった!
じゃぁ、俺に寄りかかって、目をつむって。

体の力抜いて、リラックスして。

ん、上手。

次は、ゆっくり呼吸して。

吸って。

吐いて。

もう一回、吸って。

吐いて。

そのまま目瞑つむって、リラックスしててね。

…君、また自分を追い込もうとしてるでしょ。

分かるよ。
君のことなら、何でも知ってるよ。

さっきまで塗ってた色の時は気分を上げたい時で、この色を塗ってる時は、自分を追い込む時。
大事な会議があったり、大きな仕事をまかされたり…。
そういう時はいつもこの色塗ってる。

当たってるでしょ?

気付いてないと思った?

どれだけ一緒にいると思ってるの?
ちゃんと君のこと見てるよ。

君は十分がんばってるよ。
これ以上、自分を追い込まなくていいんだよ。

まだまだがんばらなきゃいけないの?
どうして?

『上司に怒られた』?
何で怒られたの?
悪いことしたの?

(相槌を数回)

それは君が悪いわけじゃないでしょ。
上司のイライラをぶつけられたんだよ。
ただのたり。

君が優しいから、何も言い返さないって分かって言ってきたんだよ。
実際言い返してないでしょ?

優しい君は『自分が悪いんだ』って思って、どんどん自分を追い込んで、知らず知らずのうちに自分で自分の首をめて…。
これ、君の悪いくせだからね。

さっきも言ったけど、君は十分がんばってる。
俺が保証ほしょうする。

毎朝早く起きるし。
朝ご飯作って、ちゃんと食べるし。
きちんとメイクして会社に行くし。
会社での君を俺は知らないけど、しっかりお仕事してるし。
帰ってくる時間はまばらだけど、絶対家に帰ってきてくれるし。
帰ってきてからも、美味おいしいご飯を作ってくれるし。
俺がワガママ言っても、いつも付き合ってくれるし…。

言い出したらキリがないね。

ん?
『そんなの当たり前』って?

その当たり前を当たり前にやるのって難しいんだよ。

この前、俺が寝坊したの覚えてる?
君に起こしてもらうまで、爆睡ばくすいしてたでしょ。
危うく遅刻寸前ちこくすんぜんだった…。

だから、当たり前を当たり前にできるのはすごいんだよ。

家にいる時くらい、がんばることは忘れていいんだよ。
追い込まなくていいんだよ。
息抜きも大事。

じゃなきゃ、君がつらくなっちゃう。
君が壊れちゃう。

そんな君を俺は見たくない。

何が何でもがんばっちゃうの?
ん~、困ったな…。

じゃぁさ、逆の立場で考えてみてよ。
もし、俺がずっとがんばって、がんばって、がんばって…。
今にも壊れそうになってたら、君ならどうする?

そうでしょ。
今の俺もその気持ちなの。

今の君は空気を入れすぎた風船みたいな感じ。
いつ破裂してもおかしくない状態。
少し息抜きすることで余裕が生まれることにも気づいていないほどに、いっぱいいっぱいなの。
だから、無理矢理にでも息抜きしてもらいたいんだよ。

分かってもらえた?

よかったぁ~。

君が壊れちゃうって思うだけで、俺、すごいこわかったんだからね。
俺をこわがらせた責任、取ってもらうよ?

これは命令です!

明日から1泊2日で温泉を予約しました。
荷物はもう準備してあります。
一緒に温泉に行きませんか?

どうした?
なんで泣くの?

『こんなサプライズ、俺がしてると思わなかった』?

…だろうね。
俺もがらじゃないことしてると思うよ。

でも、なりふりかまっていられないくらい、君のことが心配だった。
君を失うくらいなら何だってする。
それくらい、君のことが大好き。

で、返事は?
温泉に一緒に行ってくれる?

じゃぁ、泣きんで?
あんまり泣いてると目元 れちゃうよ。

週明けから仕事がんばるために、明日は一緒に温泉に入ったり、美味おいしい物たくさん食べたりして、いっぱい楽しもうね。

(リップ音)