あっつ…。
人多すぎ…。
マジ、無理…。
花火はまた来年にして、もう家帰ろ？
えぇー！？
花火見る前に俺が暑さで
帰って、クーラーガンガンに効いた部屋の中でのんびり過ごしたい…。
ってかさ、花火なんて家からでも見れるじゃん。
わざわざ汗ダラダラかいてまで会場に来て見る意味ってなくない？
いやいや…。
大きさは問題じゃないでしょ。
小さかろうが、大きかろうが、花火は花火じゃん？
（溜息）はぁ…。
…はいはい。
分かったよ…。
いればいいんでしょ。
い・れ・ば。
その代わり、かき氷買ってきていい？
暑すぎて、もう限界…。
俺はイチゴで……君は？
一緒に買ってあげる。
さっさと味選んで。
ん。
了解。
（お店の人に対して）イチゴ1つとブルーハワイ1つください。
ありがとうございます。
あっち行こ。
ここじゃ、落ち着いて食べれないし。
（人ごみから離れる2人）
おっ！
いいところにベンチ発見！
あそこに座って食べよ。
（ベンチに座る2人）
んーっ！
かき氷の冷たさが
最高にうまいっ！！
やっぱりかき氷はイチゴに限るわ。
ブルーハワイも、おいしい？
ふぅーん。
ねぇ。
ずっと気になってたこと聞いてもいい？
ブルーハワイって何味なの？
今まで食べたことなくて…。
『ブルーハワイ味』って答えになってないし。
ちゃんと答えてよ。
俺がいつも食べる味？
子供の頃からイチゴ一筋。
たまにメロンとかレモンとかに浮気することがあっても、イチゴに戻ってくるかな。
やっぱ1番おいしいじゃん。
でも、ブルーハワイだけはない。
何かイヤなんだもん。
”青”って色が…。
自然にない色じゃん？
味も想像できないし…。
怖くて手が出ない。
ひと口、くれるの？
じゃぁ……遠慮なく…。
……これ、おいしいの？
甘いには甘いよ。
けど、イチゴとかメロンとかみたいな味しなくない？
はいはい。
悪かったね、お子ちゃまで。
いいもん。
イチゴおいしいもん。
（かき氷を急いで食べる）
くぅ…。
頭キーンってした…。
仕方ないじゃん。
急いで食べて、口の中のブルーハワイを早くイチゴで消したかったんだもん。
知ってる味で上書きしたくて…。
ん？
舌赤い？
マジ？
君もベェーってしてみて。
すっごい青い！
悪魔の舌みたい。
あっ……ちょっと試してみたいことあるんだけど、してみてもいい？
全然怖いこととかじゃないから。
君はそのままでいてくれればいいよ。
（濃厚なリップ音）※長めにお願いします。
うん。
これなら悪くないかも。
ブルーハワイだけだと何かイヤだったけど、イチゴと合わせたら悪くない味だった。
今度からミックスしよっかな。
趣味悪くないし！
失礼な…。
ねぇ。
もう1回ベェーってしてみて。
なーんだ。
青のままか…。
いっぱいベロチューしたから赤と青が混じって紫になると思ったけど、違ったっぽい。
（遠くで花火の音）
あーぁ…花火始まっちゃった…。
今年はここで音だけ楽しもう。
ダーメ。
キス1つで、そんなエッチぃ顔になっちゃう彼女を誰にも見せたくないから。
来年、会場で見ようよ。
ね？
うん。
約束。