(彼女が帰宅する)
…おかえり。
遅かったね。
今何時だと思ってるの?
今朝出かける前に『今日は早めに帰る』って言ってなかった?
それが、なんでこんな遅い時間に帰ってくることになるわけ?
何してたのか、ちゃんと全部話して。
仕事?
ほんとに?
じゃぁ、俺の膝の上に座って。
『ヤダ』じゃない!
ほら。
は・や・く!
(彼女が膝の上に座る)
ジッとしててよ。
動いちゃダメだからね。
(彼女の匂いを嗅ぐ)
何してるか、なんて見れば分かるでしょ?
嘘
匂い嗅げば、ほんとに仕事してたかどうか分かるし。
こんなことする理由、1つしかなくない?
……浮気、ちょっとだけ疑ってる。
だって、連絡もなしに、こんなに遅くなることなんて今までなかったじゃん。
急な仕事が入った時には『今日遅くなる』って一言くれてたし…。
疑うのは当然だと思わない?
浮気してなかったかどうかは、俺が決めるの。
そのために匂い嗅いでるんだから。
君が決めることじゃない。
…何もなかったって、信じてほしいの?
じゃぁ、チューして。
それから、ギューも。
あと、いっぱい『好き』って言って。
じゃなきゃ、信じてあげない。
(彼女からのキス:触れるだけのリップ音)
ヤダ…。
全然足りない。
もっと!
もっとしてよ…。
(彼女からのキス:軽い感じ → 深くなっていく感じのリップ音)
(キスしながら)俺も好き。
大好き。
(濃厚なリップ音) ※ 長めにお願いします。
次、ギュー。
(彼女を抱きしめる) ※ 以下、抱きしめたままでお願いします。
…めちゃくちゃ心配したんだからね。
早く帰ってくるって言ってたから、今日はいっぱいイチャイチャできると思って、ご飯もお風呂も準備して待ってたのに、いくら待っても帰ってくる気配ないし、何度連絡しても全然返ってこないし…。
『事故に巻き込まれたのかな?』『もしかして事件とか?』って……イヤなことばっか考えてた…。
さっきは、
不安すぎて、1人で勝手に暴走しちゃって…。
君から浮気した匂いはしなかった。
ちょっとだけ男の人の匂いしたけど…。
べったりって感じじゃないよ。
ほんとに、ちょっとだけ…。
どんな匂い、か…。
んー……おじさんっぽい匂い?
定年が近くて、役職ついてそうな感じのおじさんがつけてる匂いあるじゃん。
おじさん独特の。
あの匂い。
帰りにそんな感じの人近くにいなかった?
…やっぱり。
たぶん、その時匂いが移っちゃったんだね。
それ以外は、全部君の匂いだった。
いつも付けてる香水の匂い。
メイクの匂い。
あと、少しだけ汗の匂い。
今日1日いっぱいお仕事がんばった匂いがした。
以上を
(彼女と体を離す)
ふふ。
すごいでしょ!
俺の特技!
匂い1つで君の全部丸裸にできちゃうんだよ。
好きな人の匂いだから、分かるの。
……あのね、1つ約束して。
今日みたいなことはもうしない、って。
ほんとに怖かったから。
一言でいいから絶対連絡して。
お願い…。
ん。
じゃぁ、約束のチュー……しよ…。
(甘い感じのリップ音) ※ キスしたままフェードアウトしてください。