CV.小林崇也 ch
voice:CV.小林崇也 ch

2人で初めてのクリスマスを飾るのは2個のホールケーキ

【玄関扉の開閉音】

ただいまー。

うぅ……寒かったぁ…。
今日やたら風強いし、底冷えするし…。
体の芯から冷えちゃいそう…。

うわぁ!
(馳走ちそう)、いっぱい!

んー、いい匂い。
どれも(美味おい)しそう。

ちょっとだけ、つまみ食いしてもいい?
ほんのちょっと……ひと口だけにするから。
ね?

…ケチ。

いいじゃん。
ひと口くらい…。
全部食べるって言ってるわけじゃないのにさ…。

はいはい。
着替えてきたらいいんでしょ。

でも、その前に…。

ねぇ、ねぇ。
見て、見て。

じゃーん!
ケーキ買ってきちゃった!

…えっ…。
何、その反応…。

俺、なんか間違った?

えぇー!?
君もケーキ買ってきちゃったの!?

…マジで…。

いや……今年、ケーキの予約忘れちゃったじゃん?
クリスマスと言えばケーキが主役みたいなもんだし、ないと寂しいでしょ…。
ワンチャン、買えるかなってケーキ屋寄ったら、割引されててさ。
「今日中に食べるし、いいかな」って…。

サプライズで買って帰れば喜んでくれると思ったんだけど…。
まさか、2人で同じことしちゃうなんてね。

せっかくだし、君が買ってきたケーキ見せてよ。
どんなケーキ買ったのか気になる。

(彼女がケーキを箱から出して見せてくれる)

うわぁ……俺の好きなケーキじゃん…。
ホールで…。
めちゃくちゃおいしそう…。

えっ……俺のケーキも見るの?

…いいけど…。

…はい。

うん。
君の好きなケーキ。
2人で過ごす初めてのクリスマスだし、ちょっと(贅沢ぜいたく)に…って、俺もホールで買っちゃった…。

ちゃんと相談すればよかった…。
余計なことして、ごめんね。

自分で思ってる以上に浮かれてたみたい。
誰かとクリスマス過ごすのなんて、子供の頃以来だから…。

…君と付き合う前?

ずっと1人だったよ。
クリスマスなんて、ほかの日と何も変わらないから、毎年仕事してた。

休んでも1人だし、やることないもん。
だったら、仕事してる方がずっとマシじゃん?

ご馳走も、ケーキも食べなかったね。
どうしても食べたい時は、コンビニでショートケーキ買って食べてたくらい。

(笑いながら)寂しいクリスマスでしょ?

君は今までどんなクリスマスを過ごしてきたの?

(彼女が今までのクリスマスを話す)

ふぅーん。
俺と似た感じだったんだ…。

俺たちって、とことん似た者同士だね。
ちょっと驚きかも。

そんなことより、今は、このホールケーキをなんとかしなきゃだよね…。
さすがに2人で2個はキツいし…。
どうしよう…。

冷凍するの?
ケーキを?

聞いたことないんだけど…。

ちょっと待って。
調べてみる。

えっと…。
(スマホをタップしながら)余ったケーキ、冷凍……検索、っと。

ほんとだ!
ケーキって冷凍していいんだ。

『ラップで包むか、密閉容器に入れて冷凍保存してください』だって。

全部知ってたの?

へぇー。
さすが俺の彼女…。
何でも知ってて、頼りになる…。

それに引き換え、ダメダメだなぁ…俺…。
家事が苦手ってだけで、いつも君に任せっきり…。
「少しは家事しないと…」って思ってはいるんだけど…。

あっ…そうだ!
ケーキ冷凍するの、俺にやらせてくれない?

そ。
今日食べる分以外を(小分こわ)けにして、冷凍するくらいならできると思うし。

手伝ってくれるの!?

やるっ!
一緒にやりたいっ!

じゃぁ、パパッと着替えてくる。
すぐ戻るから、待ってて。

今夜は2人で過ごす初めてのクリスマスだから。
いっぱい楽しもうね。