人見知りだけど彼女のためにがんばりたいウサギ系彼氏

【着信音】

もしもし?

ごめんね。
急に電話なんかして…。

今、時間ある?
どうしても話したいことがあって…。

ひとつ言っとくけど、別れ話とか、そういう深刻な話じゃないからね。
相談したいことがあるの。

朝の話の続きなんだけど…。

そう。
部屋の話。

いいの?
お仕事、大丈夫?

あっ、お昼休みか。
あと何分くらい時間ある?

うん。
分かった。
じゃぁ、時間ないし、さっそく本題に入るね。

あのね、バイト先の店長の知り合いに不動産屋さんの人がいて。
その人紹介してもらったから、これから行ってこようかと思って…。
それで、君の部屋の条件聞くために電話したの。

いろいろあるでしょ?
トイレとお風呂は別がいいとか、浴室乾燥機が欲しいとか…。

それ、全部教えてよ。
俺がしっかり伝えて、いい部屋見つけてもらうから。

授業?
全部休みになった。
バイトも、店長が気()かせてくれて、休みにしてくれた。
『早く行ってこい』って。

いいよ。
無理して来なくて。
まだお仕事でしょ?
1人でも大丈夫。

…人見知りは、しちゃうかもだけど…。
君と住むための大切な部屋を決めなきゃだから……がんばるっ!

今日は条件だけ伝えて、よさそうな部屋いくつか見(つくろ)ってもらうだけのつもり。
資料もらって、夜にでも2人でいろいろ話し合えばいいかなって思ってね。

とりあえず、君の条件、聞かせて。

(相槌数回打つ)

…分かった。
ちゃんと伝えるね。
あとのことは俺に任せて、君はお仕事がんばって。

えっ!?
午後から休み取るの!?
いきなり、休みって取れるの?
そんなことして大丈夫?
お仕事に影響しない?

……ほんとの、ほんとに、来ちゃうの?

…ありがと。嬉しい。

でも、なんで分かったの?
俺がほんとはついて来てほしいって思ってたこと。

声のトーン?
いつもと変わりないと思うんだけど…。

ふぅーん。
自分じゃ気付かないことにも気付いちゃうなんて…。
なんでもお見通しなんだね。
さすが、俺の彼女!

…俺のこと、ちゃんと見ててくれてありがと。

待ち合わせ?
しよ!しよ!

んー……どこがいいかなぁ?
まだ会社だよね?

じゃぁ、そっちまで迎えに行ってもいい?
なんか会いたくなっちゃった。
すっごく会いたい。
今すぐ会いたい。

…ダメ?

会社の人に見られたくない、か…。

なら、会社の(最寄もよ)り駅にカフェあったよね?
そこで待ち合わせしよ。

ん。
決まりね。

ダッシュで迎えに行くから待っててね。