お姉さんにお近づきになりたいコンビニ店員

いらっしゃいませ。
商品、お預かりしますね。

こんな遅い時間までお仕事ですか?
お疲れ様です。

【商品のバーコードを読み取る音】 ※ 合計金額言うまでところどころ入れてください。(回数は、おまかせします)

今日めちゃくちゃ寒くなかったですか?

えっ!?
この冬1番の寒さだったんですか?
どうりで、1日寒かったわけだ…。

ほんと、ここ最近急に寒くなりましたよね。
毎朝布団から出るの、マジでつらくて…。
俺、寒いの苦手なんですよ…。

お姉さん、寒いの平気なんですか!?
すごいなぁ…。
もしかして、夏と冬だったら冬の方が好きだったりします?

『どちらかと言うと…』か…。
そっか…。

俺は夏の方が好きですね。
海水浴とか、キャンプとか、花火大会とか…。
いっぱい遊べるし、楽しいことばっかじゃないですか。
だから、夏の方が好きです。

早く暖かくなってくれないかなぁって毎日思ってるんですけど、日に日に寒さが厳しくなるばかりでしょ…。
恋人がいたら(人肌ひとはだ)で温めてもらえるかもしれないけど、そんな相手いないから今は布団が恋人って感じです。

……ねぇ、お姉さん。
ちゃんとご飯食べてますか?

だって、いつもこんな遅い時間に買っていくのは、お酒とツマミだけ。
ご飯食べてるような雰囲気ないから、心配で…。

『食べてる』って、ほんとに?
ちなみに、今日は何を食べたんですか?

(溜息)はぁ…。
それ、食べたうちに入らないですよ。
ちゃんとご飯食べましょ。
じゃないと、マジで倒れちゃいますって。

『めんどくさい』じゃないですよ。
顔色悪いの、気付いてないんですか?

……ちょっと待っててください。

(少し間を開ける)

野菜ジュース、入れときますね。
これ、俺の(おご)りだから気にしないでください。

どうせ野菜全然食べてないんでしょ?
分かりますよ。
さっきお姉さんが言ったものから想像するに、(ろく)なもの食べてないって。

(節介せっかい)って分かってるけど、(もら)ってください。
お願いします。

…ありがとうございます。
今日じゃなくてもいいから、野菜ジュース、ちゃんと飲んでくださいね?

えっと、合計776円になります。

()しいなぁ…。
あと1円で777円でしたね。

合計が777円だと、ちょっと嬉しくなりません?

ですよね。
俺、嬉しすぎてテンションめちゃくちゃ上がっちゃいます。

776円…ちょうど、お預かりします。
ありがとうございました。

寒いし、暗いから気を付けて帰ってくださいね。
最近このあたり、変質者が出てるって聞いたんで。

あっ…そうだ…!

【紙に文字を書いてる音】

もしよかったら、これ、俺の連絡先です。
いらなかったら捨ててください。
もし、何か困ったことあったらいつでもいいんで連絡してくださいね。
すぐ()けつけますから。

ほんと、ほんと!
嘘じゃないですよ。
お姉さんのためなら、たとえ火の中水の中…ってね。

じゃぁ……またお越しください。

(お姉さん、コンビニから出る)

お姉さんっ!
ちょっと待ってっ!

これ…どうぞ。

そう。肉まん。
帰り道、食べながら帰ってください。

いくら寒いの平気でも、今夜はさらに()()むって今朝の天気予報で言ってたから。
これ食べてお腹から温まって、風邪ひかないようにしてくださいね。
お姉さんが来てくれないと、(さみ)しいから…。

ごめんなさい。
寒い中、話し込んじゃって…。

ほんと、気をつけて帰ってくださいね。

今日も1日、お疲れ様でした。
また明日、待ってます。