ろろ
voice:ろろ
さとうしお
voice:さとうしお
千歳
voice:千歳

【R15】キスが下手と言ってみたら…

(玄関扉の開閉音)

(濃厚なリップ音)

…ごめん。
止めなきゃいけないって分かってんだけど、止めらんない…。

久しぶりに会えたってだけで、なんか…もう……ヤバくて…。

……もっと、キスしたい…。

(濃厚なリップ音)

ねぇ。
このままシてもいい?

 (彼女:「ここで?」)

ふふ。
ここではヤんないよ?
体痛くなっちゃうだろうし、外に誰がいるか分かんないし…。

 (彼女:「だよね。よかった…」)

当たり前でしょ?
この俺が、君の甘い声を俺以外に聞かせるわけないじゃん。

思いっきり愛し合うのは、ベッドで…ね?

 (彼女:無言のまま)

…なんで『うん』って言ってくれないの?

 (彼女:「ゴム、ある…?」)

…ゴム…?
あぁ、この間使い切ったんだっけ?

 (彼女:黙ったまま頷く)

(ドヤァな感じで)ふふん。大丈夫。
こんなこともあろうかと、少し前に買い()しといた。

いつどんなことが起きてもいいようにね。
こういうのはちゃんとしないとだもん。

 (彼女:「……エッチ」)

んー…俺がこんなにエッチぃのは君のせいだよ?
元々エッチだったけど、君と付き合い始めてからもっとエッチくなっちゃった…。

どれだけ愛し合っても、もっと欲しくなっちゃう。
満たされてるんだけど、満たされてない、みたいな?
自分で自分を抑えらんない。

ごめん…もう限界…。
早く君とひとつになりたい。
君は俺とひとつになるのはイヤ?

 (彼女:「イヤじゃない…」)

イヤじゃないなら、ベッド行って、いっぱいシようね。

(濃厚なリップ音)

 (彼女:「…キス、下手」)

……今『キス、下手』って言った?

どこの誰と比べたの?

 (彼女:「比べてない」)

比べなきゃ『キス、下手』なんて言葉出てこなくない?

そっか…そういうことか…。
……なるほどね…。

俺と会えない間に誰かに抱かれた?
そうなんでしょ?

 (彼女:「…違…」)

いいよ。
俺は許すから。
浮気してもちゃんと俺の元に戻ってきてくれさえすればね。

で、どんなキスされたの?

教えてよ?
俺も同じようにキスしてあげるから。

(濃厚なリップ音)※ 以下、キスしながら。

ほら。
教えて?

どんなキスされたの?

 (彼女:「…嘘…なの…」)

(キス、ここまで)

……『嘘』?

さっきの、嘘だったの?
じゃぁ、浮気もしてないってこと?

 (彼女:「してない」)

今でも君の1番は俺?

 (彼女:「うん」)

(重めの溜息)はぁ…。
よかったぁ…。

君のことは許すって言ったけど、相手の男は許すつもりは最初からなかったから、「どう(始末しまつ)してやろうかな」って、キスしながら考えてた。

だって、君から誘うはずないのは俺がよく知ってる。
となると、悪いのは相手の男一択じゃん?
勝手に俺の大事な彼女に手出したんだから、それなりにきちんとケジメつけてもらわないといけないよね?

 (彼女:「怒ってないって言ったけど、怒ってるでしょ?」)

怒ってないよ。

ほんとに。
怒ってないってば。

ただ、こういう(たち)の悪い嘘は嫌い。
いい機会だし、こんな嘘を()く気も起きないように、もう1度君の体に教え込んでおこっか。

大丈夫。
そんな(おび)えた顔しないで。

怖いことなんかしないから。
絶対にしない。
約束する。

その代わり、気持ちいいことをいっぱいしてあげる。

もちろん、とことんに決まってんじゃん。
手加減なんかするわけないでしょ。

ドロッドロのグチャグチャで、わけわかんなくなるまで『気持ちいい』でいっぱい溺れさせてあげる。

 (彼女:「ごめんなさい…許して…」)

今更謝っても遅いよ…。

(濃厚なリップ音)※キスしたままフェードアウトしてください。