小鳥遊きの
voice:小鳥遊きの

【童話アレンジ】久しぶりに会えて本能むき出しになっちゃった犬系彼氏の狼

(赤ずきん、狼の家にやって来る)

いらっしゃい!
入って。入って。

(赤ずきんが家に入り、狼に近づいてくる)

(赤ずきんを抱きしめる)

久しぶり。
会いたかった…!

どれくらいぶりかな?
1ヵ月……いや、もっとかな…?
寂しくて死んじゃうかと思った…。

(赤ずきんから体を離す)

嘘じゃないよ。
ほんとだよ。
あまりに寂しくて、『(人里ひとざと)の近くに行っちゃいけない』って(おきて)を破って、こっそり行っちゃった…。

…怒んないでよ…。
それくらいの危険を(おか)しても、(一目ひとめ)でいいから君の姿が見たかったんだもん…。

大丈夫。
誰にも見つからなかったよ。

ってか、もし見つかってたら、猟師に撃たれて、今頃お空の上…。
夜空に輝くお星様のひとつ……でしょ?

それより、君は?
俺と会えなくて寂しかった?

えぇー!?
寂しくなかったの?

全然?
これっぽっちも?

(いじけた感じで)…ふぅーん。

いいもん。
俺だけが寂しい思いしてても…。
気持ちがすれ違うことなんて、付き合ってればよくあることだし…。

……嘘…?
今の全部?
ほんとに?

じゃぁ、もう1回聞くけど……俺に会えなくて寂しかった?

(赤ずきんを再度抱きしめる)

(安心した感じの溜息)はぁ…。
…よかったぁ…。
「このまま自然消滅みたいになって、別れるのかな?」とか、いろいろ考えちゃったじゃん。

まぁ、『別れたい』って言われても、別れてあげないけどね。
別れて俺以外の物になるくらいなら、俺が食べちゃう。
ガブッって。

君の血も、肉も、全部…俺の一部にしちゃう。
そしたら、ずっと一緒にいられるでしょ?

君は柔らかいから、きっとおいしいだろうなぁ。
二の腕とか、太ももとか…。

…なーんてね。
本気にした…?

今のは全部嘘。
さっきの君の嘘の仕返し。

ふふ。
叩いても全然痛くありませーん。
怒ってる顔もかわいい。

かわいいんだけど……あんまり近づかないで。
さっきから頭がクラクラしてて、ヤバいかも…。

体調が悪くなったとかじゃなくて……俺自身の問題…。

今にも理性が吹き飛んじゃいそうなくらい興奮してる…。
だって、久しぶりに会えただけでも嬉しいのに、やっと君を抱きしめて、匂いを嗅ぐことができて…。

こんな状況、興奮するなって方が無理。

こら。
『食べてもいいよ』なんて簡単に言っちゃダメだよ。

もし、理性が吹き飛んだら絶対に優しくできないもん。
狼としての本能むき出しで襲っちゃう。
会えなかった間の欲望、全部吐き出すまで止まらないだろうし…。
そうなったら、絶対君の声は聞こえない。
俺のやりたいようにヤって、君を傷つけることになる。

でも、今ならまだ間に合う。
もう少し一緒にいたいけど…傷つける前に、帰って。
早く俺から離れて。

(赤ずきんからの触れるだけのキス)

…いいの?
どうなっても知らないよ?
後悔しても遅いからね?

優しくない俺を嫌いにならないで。
…大好き。

(濃厚なキス)※ キスしたままフェードアウトしてください。(※ 省略可)