すっごい
さすがお祭り。
はぐれちゃうといけないから、手繋ご?
屋台いっぱい出てるけど、何か食べたい物ある?
ご飯少なめだったし、お腹減らない?
へへ…。
バレた?
実は、
たこ焼きとか焼きそばみたいにガッツリ食べられる物じゃなくて、軽く食べられる物が欲しいなぁって思ってたんだけど…。
あっ!
フランクフルトとかどう?
半分こして食べない?
決まりね。
(お店の人に向かって)フランクフルト、1つください。
ありがとうございます。
あっちにベンチあったから、そこで食べよっか。
(少し歩く)
おいで。
俺の膝の上に。
ダメだよ。
そのままベンチに座ったら、せっかくの浴衣が汚れるでしょ?
ダメったら、ダーメ。
ここは俺の言うこと聞いて。
ん。
いい子。
じゃぁ、次は口開けて。
食べさせてあげる。
大丈夫だって。
誰もこっち見てないし。
今のうちに。
あーん。
おいしい?
そ。
よかった。
ふふ。
かわいいなぁ。
口元にケチャップ付いてる。
取ってあげるから、動いちゃダメだよ?
(舐め取る)
はい。
綺麗になった。
別に、舐め取ってもいいでしょ。
見せつけてやんなきゃいけないし。
あっちにね、君のことずっと見てる男がいるんだよ。
こら!
見ちゃダメ!
何で俺以外の男を見る必要があるの?
ないよね?
それに、もし目が合ったら、気があると思われて何されるか分かんないよ?
俺が目を離した
そうじゃなかったとしても、ストーカーとかされたら、怖くない?
知らない間につけられてて、家を特定されたり、自分の行動範囲知られたり…。
今の世の中何があるか分かんないんだから、用心するに越したことはないんだから。
よかった。
分かってくれて。
あれ?
取れたと思ったけど、まだ付いてたみたい。
暗くて見逃してた。
もう少しだけジッとしててね。
(触れるだけのリップ音)
…やっと諦めてくれたか。
あぁ……ごめんね。
ほんとにチューしなくてもよかったよね。
でも、俺が悪いんじゃないから。
周りの男を魅了しちゃうほどに、かわいすぎる君が悪いの。
ってのは冗談。
ほんとに、ごめん。
こうも人が多いと、いつもは気になんないような小さいことも気になっちゃって…。
浴衣姿の君がかわいくて、俺以外の男に見せたくなくてさ…。
こんなに独占欲むき出しなの、かっこ
あっ……のんびりしてたら、もうすぐ花火始まっちゃうね。
さっさと食べて移動しよっか。
もう1回……あーん。
…もういらないの?
全部食べちゃうよ?
(モグモグする)
よし。
じゃぁ、行こ。
ん?
こっちの道で合ってるよ。
いい穴場教えてもらったんだ。
少し離れてるけど、誰も来ない場所なんだって。
(※ 以下、耳元で)
さっきから、ちょっと我慢できなくてさ…。
そこに着いたら、思いっきりイチャイチャしたいんだけど……いいよね?