先輩がマッチングアプリをしてるのを知っちゃったちょっと生意気な会社の後輩

(後輩、先輩に近づく)

先輩、見ぃーっけ!
こんなところでサボりっすか?

俺?
俺は……休憩っす。
仕事の終わりが全然見えてこなくて、(嫌気いやけ)が差して、抜け出してきちゃいました。

違いますぅー。
サボりじゃないですぅー。
先輩と一緒にしないでくださいー。

……ってか、スマホと睨めっこなんて、珍しいっすね。
何見てたんすか?

えぇー?
必死に隠すとか、怪しい…。

隙ありっ…!

(後輩、先輩のスマホを無理矢理見る)

ふぅーん。
マッチングアプリ…。

先輩でもこういうのに手出すんすね。
ちょっと意外かも。

(居心地悪そうに)あ゛ぁ゛ー、えっと……これは、あくまで俺の勝手な先輩のイメージっすよ?

…先輩って、ネットとかアプリとかで知り合った見ず知らずの人と会ったりしないタイプだと思ってました。
硬派な感じ?って言うのかな…。

それでも、どうしても出会いがない時は、友達とかの紹介に頼ったり……みたいな…。

(先輩、「悪い?」と尋ねてくる)

悪くない!悪くない!
全然アリだと思います。
今の時代、いろんな出会い方ができますから。
その中から自分に合った出会い方で、出会いを見つければいいんすよ。

(ふと思い出したように)でも、先輩、彼氏さんいるって言ってませんでしたっけ?

えっ……別れたんすか!?
なんで!?

『一人で何でもできそう』…?

(静かに怒って)何、それ…。

ただ単に彼氏さんが頼りないから先輩がしっかりせざるを得なかっただけでしょ?
なのに、自分のことを棚にあげて先輩を傷つけるようなこと言うとか……普通にあり得ないっす。

そりゃ怒りますよ。
俺が1番尊敬して頼りにしてる大好きな先輩を傷つけたんすから。

……とりあえず、今日から1ヶ月間毎日足の小指をぶつける呪いかけときますね。

(イタズラっ子っぽく)地味にイヤっしょ?
毎日小指ぶつけて痛い思いするとか…。

(独り言っぽく)思いっきり痛い目を見ればいいんだ。

(話を元に戻す感じで)でっ!
話、脱線しちゃいましたけど……マッチングアプリを使うのはいいと思います。
ただし、人はちゃんと選ぶこと。
会うまでにたっっっくさんメッセージのやり取りをすること。
そのやり取りの中で、ちょっとでもヤバイと思ったらブロックして逃げること。
会った後だといろいろ面倒なことになるし、下手したら事件に巻き込まれる可能性だって…。

(先輩、「子供じゃないよ?」と言う)

分かってますよ。
先輩が子供じゃないことくらい。
だとしても、注意しすぎて悪いことはないっすから。
石橋を叩いて、叩いて、叩き割るくらい慎重になるのがちょうどいいんすよ。

(外面そとづら)がいい男は自分の見せ方をよく知ってるんで、紳士的に見える男ほど簡単に狼になるって分かってます?

(耳元で)ほんとに?

ふふ。
ほら。
分かってない。

俺だって、後輩である前に男なんすから。
もう少し警戒しとかないと。

いつかパクッと食べちゃいますよ?

職場だろうとなかろうと関係ないっす。

理性がきかなくなったら、それまで。
(人気ひとけ)のないところなんて探せばいくらでもありますし…。

あっ!ヤベ…。
そろそろ戻らないと怒られるかも…。

じゃぁ、俺、先に戻りますね。

先輩は赤くなった顔をどうにかしてから戻ってきてください。
書類を確認してもらいたいんで、なるべく早めでお願いしますね。

(後輩、上機嫌にその場から離れる)