僕の名前は
しがない
どこにでもいる、
そんな僕には奥さんがいる。
名前は
そんな素敵な彼女と先日結婚した。
毎日が幸せで、一秒たりとも彼女の
彼女も同じ気持ちだったのか、ずっと僕の
僕達は働く時間がどんどん減り、ついに働かなくなった。
それでも彼女のとの生活は満足していた。
こんな僕達のことを知った
悲しいけど、
僕達は天の川を
でも、一年で一度だけ彼女に会える日がある。
それが七夕。
毎年、この日のためにいっぱいお洒落をする。
新しい服を買って、靴を買って、髪を切って…。
少しでも彼女にかっこいいって思ってほしいから。
僕は彼女のためにお
彼女も毎年かわいく
年々かわいさが増しているように思える。
だから、僕は怖くてたまらない。
僕が近くにいないことをいいことに、悪い虫が彼女に付かないか心配で仕方ない。
それほどまでに彼女は魅力的な女性。
だって、僕の奥さんなんだもん。
魅力的じゃないはずがない。
さぁ、今年も彼女に会うための準備ができた。
胸を
彼女と会うのは毎年決まっている。
天の川に一日だけ
橋の上は
誰に見られているか分からないから、イチャイチャできない。
でも、彼女に会える喜びの方が大きいから、そんなことどうでもよくなってしまう。
あっという間に天の川に到着した。
まだ彼女は来ていない。
待ち合わせ時間より早く着いてしまった。
橋はもう
橋の真ん中まで行って、彼女が来るのを
しばらくすると、彼女が現れた。
今年もかわいらしく
ゆっくりこちらに向かって歩いて来る。
「久しぶり」と声をかけると『久しぶり』と返してくれる。
彼女のかわいらしい声が僕の
あまりのかわいらしさに抱きしめようとすると、彼女は一歩下がる。
『恥ずかしい』と顔を真っ赤にして、か
そんな彼女がかわいくて、体が勝手に動いてしまった。
力いっぱい彼女を抱きしめる。
一生懸命もがく彼女だけど、男の僕の力に
しばらく必死にもがいていたけど、
だらりと
いつまで
不安になった僕はそっと彼女を解放し、顔を
すると、彼女が今にも泣きだしそうにしていた。
恥ずかしがり屋な彼女は、恥ずかしい感情が
まさに、今がそうだった。
僕は
彼女が泣くと、天の川の
そうなると、すぐに東西へ引き離されてしまう。
今年はそれで終わり。
次は来年まで会えない。
そんなのは嫌だった。
ポロリと彼女の目から涙が一粒落ちた。
それと同時に、僕は彼女の唇に触れるだけのキスをした。
驚いた彼女の目から涙は消えていた。
どうやら彼女を泣き
「ごめん」と一言謝ると、彼女は『うぅん』と顔を真っ赤にして首を横に振った。
それからは、とりとめもない話をして別れた。
彼女とは会えない日々が再び戻ってくる。
でも、また来年会えるから。
それを