プレゼントの代わりに物々交換を要求する金持ち彼氏

(歩いている2人)

…ごめんね。
仕事とはいえ、なかなかデートの時間作れなくて…。

長い間寂しい思いさせたでしょ?

『気にしてないよ』じゃないの。
そこは気にしてくれなきゃ、逆に俺が寂しい…。

…お詫びにはなんないけど、何かプレゼントさせてくれない?
何でも好きなもの言って?

……特にないの?
何でもいいんだよ?
服でも、バッグでも、靴でも…。

思いつかない?

(考えてる感じで)ん゛ん゛ー……あっ!
だったら、この近くに(贔屓ひいき)にしてる店があるから、ちょっと付き合って!

(2人で店まで歩く)

ここだよ。

(彼氏、彼女の順で店に入る)

(店員に向かって)こんにちは。
今日は俺の服を買いに来たんじゃなくて、彼女の服を選びに来たんですけど、新作とか入ってます?

見せてもらってもいいですか?

ありがとうございます。

(店員、一旦離れる)

(彼女に向かって)今、店員さんが持ってきてくれるから、ちょっとだけ待ってて。

で、選ぶ前に、ひとつ約束。

値札は見ちゃダメ。
直感で気に入ったものを選んで?
いい?

ん。
約束ね。

(店員が服を持ってやってくる)

(店員に向かって)これが新作ですか?

へぇー。
いいですね…。

(彼女に向かって)どう?
いいなぁって思うの、ある?

ふふ。
迷って選べないよね。
その気持ち、分かる。

えっ!?
俺が選ぶの!?

……どれを着てもかわいいって分かるから、「コレ!」って選べないよ…。
全部買っていいなら、今着てほしいのを選ぶけど…。

……言うと思った。
分かってるって。
全部買ったりしないよ。

(すごく難しそうに悩んでる感じで)ん゛ん゛ー……これ?
いや、これも捨てがたいし…。
これもかわいいし…。

……『好きなデザイン』?

だったら……こういうのとか、こういうのかな。

試着してみる?

そっちに試着室あるよ。

(彼女、試着室に入る → 試着し始める)

(彼氏、試着室前で待機)

一人で着替えらんなくなったら、すぐ言ってね。
手伝うから。

ヤダなぁ。
さすがに外でエッチぃことはしないよ。
いつ、誰に君のかわいい声を聞かれるか分かんないんだもん。
そんなもったいないことなんて、できないよ。

……着替えれた?

開けるよ?

(彼氏、試着室を開ける)

うわぁ……想像の1億倍似合ってる…。

うぅん。
大袈裟とか、冗談じゃなく、ほんとにそう思ってる…。

しかも、今日履いてる靴にぴったり合ってるし…。

そのまま立ってて。
履かせてあげる。

(彼氏、彼女の前に跪いて、靴を履かせる)

(楽しそうに笑う)ふふ。

この間、知り合いと『彼女を着せ替えるのは楽しい』って話をしててさ…。
その時は全然意味分かんなくて、ただ話聞いてただけだったけど、今なら分かる。
めちゃくちゃ楽しい!

俺色に染めていく感じっていうの?
身も心も俺のものって感じがして、たまんない。
独占欲が満たされてく。

(彼氏、立ち上がる)

…こっち来て。

(彼氏、彼女の後ろに立ち、一緒に鏡を見る)

ほら。
鏡見て。

よくない?

気に入った?

じゃぁ、これ着たままご飯行こっか。

いいよ。
汚したって。
また新しいの買ってあげる。

こらっ!
(言い聞かせるように)値札は見ちゃダメって、最初話したよね?

(彼女に聞こえるだけの小声で)どうしても気にするなら、君の体で返して?

そうすれば、君が気にすることもないでしょ?
だって、俺の気が済むまで抱き潰していいってことだもん。
……違う?

今日は寝かせてあげないから、覚悟しててね?