彼女からの別れ話に静かに怒って分からせようとする彼氏

(彼女の家にて)

(インターホンを1回だけ鳴らす)

(少し間を開ける)

(音沙汰がないので、インターホンを何度も何度も連打しながら、ドアをドンドン叩く)

(玄関扉が開く)

……やっと開いた…。

近所迷惑とか関係ないし…。
うるさくするのは、君がさっさと開けないからで…。

(玄関扉を閉めようとする彼女)

(隙間に足を入れて閉じるのを阻止する)

おっと…。

急に閉めないの。
危ないでしょ?

せっかく会えたんだし、ちょっと話しようよ。

(無理矢理彼女の家に入る)

(鍵をする)

最後のメッセージ、あれ何?
『別れてください』って…。

いきなりすぎて、さすがに驚いた。

話がしたくて連絡しても、全然連絡つかないしさ…。

……あのメッセージ、本気?

俺の何がイヤだったの?
何が悪かったの?

…全部直すから、考え直してくれない?

『決めたことだから』か…。

気持ちが変わることはない?
1ミリも?

ん。
分かった。

…けど、これだけはちゃんと答えて。

『別れたい』って思った理由は何?

君がはっきり言わないなら、俺も別れない。
納得できないもん。

どうせ別れたら別れたっきり、どこかですれ違うことはあるにしろ、二度とこうやって会うことはないんだから、ズバッと言ってよ。
その方が未練なく別れられるでしょ?

(彼女が理由を話す)

……そっか…。
好きなヤツができたんだ…。

話してくれて、ありがとね。

……悪いけど、別れてあげない。
そんなありふれた理由で「別れてあげる」って言ってもらえると思った?

『話が違う』?
全然違わなくないでしょ。
理解はしても、納得できてないから別れない。
ただそれだけ。

それより、好きなヤツってどこの誰?
会社のヤツ?
いつも仕事帰りに寄ってるコンビニのバイト?
学生時代の同級生?

……誰だろうと、君を渡さない。

…だって、君は俺でしか満足できない体になっちゃったんだもん。
仮に好きなヤツと付き合い始めたとしても、絶対俺のことを忘れるなんてできないよ。

(濃厚なキス)

……ほらね。
たかがキスひとつで、こんなにも気持ちよくトロトロにしてくれるヤツなんて、俺以外いないよ?

……『そんなことない』…?

へぇー。
何で『そんなことない』なんて言えるの?
そいつとキスしたからってことでいい?

……それ、浮気じゃん?
浮気したなんて、許さない…。

(濃厚なキス)※ 長くしつこくお願いします。

(腰砕けになる彼女)

…おっと…危な…。
キスで腰砕けになるの、久しぶりだね。

そんなに俺とのキス、気持ちよかった?

……で、ほんとの理由は何?

好きなヤツができた、なんて嘘なんでしょ?
君が嘘()いてる時は、いつも目線を合わせてくれないから。

……分かるよ。
君のことだもん。

ほんとの理由、教えて?

(本当の理由を話す彼女)

……俺と君が釣り合ってない?
そんな話を偶然聞いて気にしちゃって、いっぱい考えた結果、俺に迷惑がかからないようにするために身を引いたの?

……バカ…。

そんなの気にする必要ないよ。
釣り合ってるか、釣り合ってないかなんて部外者には関係ないじゃん。
俺たちが好き合っていればそれでいいの!

俺は君が好き。
大好き。

君は?
俺のこと好き?

ん。
なら、別れる必要ないよね?

(頷く彼女)

(彼女を抱きしめる)

(安心した感じの溜息)はぁ…。
安心したぁ…。

さっきはごめんね。
頭に血が上ってて、無理矢理キスしたりして…。

でも、もうあんなこと言わないでね?
次言ったら、さっきの比じゃないくらいこの体に分からせてあげるから。

……いい?
約束だよ?

(触れるだけのキス)※省略可