【教室のドアを開ける音】
先輩、遅くなってごめんなさい。
顧問がもうすぐ大会だからって張り切っちゃって…。
急いで着替えてきたんだけど、随分待たせましたよね?
『問題集 解いてたからちょうどよかった』って言っても、1時間は待たせちゃったでしょ?
お詫びに何かできることありませんか?
俺にできることなら何でもしますよ。
『ジュース買ってきて』でも、『アイス奢って』でも、なんでもいいですよ。
…『チューしたい』?
いいですよ。
じゃぁ、先輩、立ってください。
…ここに立って。
で、俺が先輩の椅子に座る。
ふふ。
俺が先輩を見上げるのって、なんかいいですね。
新鮮っていうか、甘えたくなっちゃう。
ごめんなさい。
一人で楽しんじゃってますね。
(気を取り直して)
じゃぁ、チューしてください。
『なんで?』って、先輩が言い出したんですよ。
『チューして』じゃなくて、『チューしたい』って。
俺は目 閉じて待ってますから。
先輩のタイミングでチューして。
(目を閉じる)
(少し間を開ける)
先輩?
まだですか?
(目を開ける)
先輩?
真っ赤な顔…。
恥ずかしいですか?
普段はリードしてくれる先輩も、こういうことになると弱いですよね。
ギャップがかわいくて、たまらないですけど。
…俺からチューしてもいいですか?
…先輩少し屈んで、目、閉じて。
(リップ音)
交代でチューしましょ。
そしたら、そんなに恥ずかしくないでしょ?
次は先輩の番ですよ。
(リップ音)
次は俺の番。
(リップ音)
先輩の番。
(リップ音)
俺の番。
(舌絡めるリップ音) ※長めでお願いします
おっと…腰抜けちゃいました?
俺の膝の上に座っていいですよ。
全然重くないですよ。
むしろ、ちゃんとご飯食べてるか心配になるくらい、めちゃくちゃ軽いです。
(まじめな感じで)
ねぇ、先輩。
ちょっと恥ずかしい話、してもいいですか?
俺、背高いから、いつもチューする側だったんです。
元カノ達からも『チューして』って言われることしかなくて。
先輩の揚げ足を取るようなこと言っちゃったけど……実は、ずっと夢があったんです。
彼女から『チューしたい』って言われて、チューしてもらうこと、です。
で、先輩が俺の夢を叶えてくれたんです。
先輩からチューしてもらって、今、めちゃくちゃドキドキしてるんです。
手、貸して。
俺の心臓、触ってみて。
ね。ドキドキしてるでしょ?
こんなにドキドキさせられたの、先輩が初めて。
先輩もドキドキしました?
本当に?
『触ってみる?』って、そんなこと、学校ではできません。
触っちゃったら、きっと我慢できなくなっちゃうから…。
触る代わりに、ギューさせてください。
(彼女を抱きしめる)
先輩、俺の夢を叶えてくれて、ありがとうございます。
マジで嬉しいです。
先輩、大好きです。
(リップ音)