ちょっと話したいことあるんだけど、今時間いい?
急ぎってわけじゃないんだけど…。
ごめんね。
隣、座って。
あのさ…なんかあった?
『いきなり、何?』って思うかもしれないけど、ここのところずっと元気なかったじゃん。
いつか言ってくれると思って待ってたんだけど、これ以上待ってたら、君が壊れちゃう気がして…。
『何もない』って、ほんとにそう?
口元は笑ってるくせに、目は全然笑ってないよ。
…そんな君の顔、見たくない。
何のために一緒にいるの?
支え合うためでしょ?
1人で
ね?
お願い。
(相槌数回打つ)
…言ってくれてありがと。
そんなにつらいのに、よく1人で我慢してきたね。
よくがんばりました。
えらい、えらい。
ん?
『大丈夫?』って聞かないのかって?
そりゃそうでしょ。
それに、『大丈夫?』って聞いたら、大丈夫じゃなくても『大丈夫』って答えるでしょ?
だから、聞かなかったの。
例えるなら、がんばってる人に『がんばれ』って言わないのと同じ感じ。
…分かりにくい例えだったかな?
なんとなく分かった?
なら、よかった。
ここからはただの
かすり傷ってさ、気付かないことあるし、1つだと
でも、かすり傷もどんどん増えていくと、痛みを感じるようになる。
それでも、我慢できるからって我慢してると、気付けば体が動かないほどの大怪我になってて、下手したら命をなくすこともある。
心も同じなんだよ。
イヤだなって思うことがあっても、我慢しちゃうでしょ?
その我慢が自分でも気づかずに限界超えてると、なくしちゃうものがあるの。
何か分かる?
…感情だよ。
嬉しい、楽しい、悲しい、つらい…。
そういうの、全部捨てちゃうの。
自分が苦しくないようにするには、それしかないから。
最近、楽しいとか嬉しいって感じたことあった?
…ないよね。
心が死んじゃってるんだよ。
生き返らせるには、これが1番っ!
(相手を思いっきり抱きしめる)
君は、がんばり屋さんだから、どんなに苦しくても弱音
それはすごいことだと思うし、尊敬する。
誰にでもできることじゃないと思うから。
だけど、少しでいいから弱音
かっこ悪いことじゃないんだよ。
体が怪我や病気になったら、薬使って治療するでしょ?
心も同じ。
ただし、心に薬は使えない。
じゃぁ、どうするか?
弱音を
それが心の治療なんだよ。
いくらでも弱音聞くから。
…君の心、一緒に治療させて?
ん。
ありがと。
(相手から体を離す)
君の心を完全復活させるおなじないを今からかけるね。
ちょっと恥ずかしいけど、がんばっちゃうから。
目、見てて。
絶対
君の優しいところが好き。
君の意志を曲げないところが好き。
君のポジティブな考え方が好き。
君の
ほかにも言いたいけど、言い出したらキリがないなぁ…。
とにかく、何が言いたいかって言うと、君のことが好きってこと。
大、大、大、だぁーい好きっ!
こらっ…目、
こっちだって、恥ずかしいんだからね。
(相手が抱きついてくる)
うわっ……いきなり抱きついてきたら危ないでしょ。
ったく、もう…。
『ありがと』って何に対してのお礼?
君にお礼言われるようなことしてないよ。
普通のことしかしてないから。
君の最大の理解者がここにいることだけは忘れないでね?
約束だよ?