オ・オ・カ・ミ・さんっ!
こんにちは。
俺だよ。
赤ずきん。
この間声かけたの、覚えてる?
『忘れた』って…ひどいなぁ…。
あんなに濃厚な時間を過ごしたのに…。
ふふ。
カマかけただけなのに、その過剰な反応…。
やっぱり覚えててくれたんじゃん。
覚えててくれて、ありがとね。
それで、今日は何してるの?
『関係ない』なんて寂しいこと言わないでよ。
つらそうな顔して花畑に1人でいたら、気になるでしょ?
俺でよかったら話聞くよ?
(溜息)はぁ…。
あのさ、『1人にして』って言われて『分かりました』って離れる奴いる?
少なくとも、俺はそんな奴じゃない。
つらいなら、その思いを吐き出した方が少しは気持ちが軽くなると思うよ。
絶対誰にも話さない。
俺と君の2人だけの内緒にするって約束するから。
ね?
話して。
(相槌数回打つ)
好きな
つらかったね…。
君みたいな美人を捨てていくなんて、その
君は美しいよ。
ほんとに。
白く光り輝く歯。
ツヤツヤに手入れされてる毛並み。
ほかのオオカミの
君は世界中のオオカミの女王に
だから、もっと自分に自信を持っていいよ。
ふふ。
やっと君の笑顔が見れた。
やっぱり君の笑顔は最高だね。
じゃぁ、これから新しい恋のスタートを切る記念に、俺とお茶しようよ。
えぇー!?
なんで拒否するの?
そこは『いいよ』って言うところじゃん。
今の流れで拒否とか絶対ないよ。
もしかして、この後用事があるの?
よかった…。
時間あって…。
そりゃ安心もするよ。
用事があるのに、
時間あるなら、もう少し一緒にいようよ。
俺が君と一緒にいたいの。
ね?
ダメ?
ありがと。
すぐ準備するね。
(お茶の準備をする)
はい、君のティーカップ。
とっておきの紅茶なんだ。
飲んでみて。
……どう?
気に入ってもらえた?
じゃぁ、また持ってくるから一緒にお茶しよ。
ね?
(自分も紅茶を一口飲む)
ん?
変な味がする?
紅茶以外は何も入れてないよ。
あらら…。
たった一口しか飲んでないのに、もうベロベロだね…。
もしかして、
うわぁ…ごめんね…。
なーんてね。
最初から知ってたから、君の紅茶にブランデー入れておいたんだよ。
って、もう聞いてないか……。
オオカミが取って食う時代はもう終わり。
これからは俺がオオカミを食う時代。
どんな動物も
気を付けないとダメだよ?