あれ?
おかしいな…。
たしか昨日ここに置いとくって言ってたはずなんだけど…ないよなぁ…。
俺の
(リビングから彼女の部屋へ移動)
【部屋のドアをノックする音】
ねぇ、ちょっといい?
…ん?
返事がない。
…開けるよ?
【ドアを開ける音】
ねぇ、俺の
(そっと彼女に近づく → 彼女をバックハグする)ギュー
びっくりした?
怒らないで。
ちゃんとノックもしたし、声もかけたよ。
ただ、君がコレに集中してたから気付かなかっただけ…。
ちょっと見せて。
切ったばかり?
そっか…。
傷自体は深くないから消毒だけしておこうね。
救急箱取ってくるから、ちょっと待ってて。
俺が目を離してる間に切っちゃダメだよ?
絶対だからね。
約束できる?
ん。いい子。
すぐ戻るね。
(少し間を開ける)
お待たせ。
消毒するから腕出して。
ちょっと
これくらいの傷なら、薬は
どう?
痛い?
ほんとに大丈夫?
…それなら、いいんだけどね……。
ん?
時計見てどうしたの?
時間って……仕事のこと?
そんなの休むに決まってるじゃん。
救急箱取りに行ったついでに、休みの連絡してきちゃったしね。
『
…今は仕事なんかよりも、君の方が大事なの。
だって、君は俺の大事な人なんだから。
大事な人が苦しんでるのに、平気な顔して仕事なんかできないよ。
それよりも、今回はどうして切ったの?
むしゃくしゃしてって感じじゃないみたいだけど…。
『なんとなく』?
そっか…。
そういうこともあるんだね。
『ごめんなさい』って、何に謝ってるの?
君は何か謝らないといけないようなことをしたの?
してないでしょ。
まぁ…心配はしたよ…。
ドア開けたら、すっごく深刻そうな顔でカッター
最近なかったし、落ち着いたのかなって思ってたから…。
でも、前よりは
前は思いっきり切ってて、何度も病院に
そこから考えたら、深く切るの
今度は切る前に俺に言えるようになろっか。
『切りたい』でもいいし、『助けて』でもいい。
何も言わずに、俺にくっつくだけでもいいよ。
もうこれ以上、君の体が傷つくのは見たくない。
君が人に自分の気持ち言うの苦手で、迷惑かけるのがイヤなの知ってる。
でも、俺にはいっぱい迷惑かけてよ。
だって、俺は君の彼氏なんだから。
大丈夫だよ。
迷惑かけたって、俺は君から離れたりしない。
ずっと、そばにいるよ。
嘘じゃないよ。
ほんと。
だから、ほんの少しでいいから俺に迷惑かけて。
…お願い。
約束だよ。
(彼女を抱きしめる)ギュー
君は1人じゃない。
俺がそばにいるよ。