【ベッドルームの扉が開く音】
【カーテンを開ける音】
おはよ。
朝だよ。
起きて。
こーら。
布団かぶって二度寝しようとしないの。
『
そんなの当たり前じゃん。
カーテン開けてるんだから。
寝起きには太陽の光が1番の目覚ましなんだから。
ほら。
起きよ?
このまま起きないと遅刻しちゃうよ?
いいの?
どうして?
(相槌数回打つ)
あぁ~、なるほどね…。
それはちょっと分かるかも…。
でもね、今起きると君にとって、ちょっとだけ嬉しいことがあるよ。
(内緒話をするように)…今日の朝ご飯、君の好きな物、いっぱい用意したんだよ。
あっ!
お布団から顔出してくれた。
えらいねぇ。
ん?
ほんとに君の好きな物作ったんだよ。
嘘だと思ってる?
ほんとだって。
ここまで匂い
クンクンしてみて。
ねっ!
おいしそうな匂いしてるでしょ。
今日はちょっとだけがんばってみたんだ。
今起きれば時間に余裕あるから、好きなだけおかわりしていいよ。
でも、君が二度寝しちゃうなら、せっかく用意した朝ご飯はゴミ箱行きかな…。
だって、一人じゃ食べきれないもん。
それくらい、いっぱい作っちゃった。
『もったいない』って言うなら、お布団から出てきて、一緒に朝ご飯食べようよ。
ね?
えぇ~!
ここにきて、まだ
ん゛~………じゃぁ、お布団から出てきてくれるならギューしてあげる。
君が『今日1日がんばれる』って思えるまでしてあげる。
出てこないなら、してあげない。
…ほら、お布団から出ておいで。
うわっ!
【ベッドに押し倒される音】
勢いよく飛び出してきたら、危ないでしょ。
ふふ。
でも、お布団から出れて、えらいね。
約束通り、いっぱいギューしてあげる。
(相手を抱きしめる)ギュー
もういい?
まだなの?
今日は甘えんぼだなぁ。
(相手を抱きしめる)ギュー
そろそろいい?
まだなの!?
そろそろ終わりにしないとご飯食べる時間減っちゃうよ?
それはイヤでしょ?
なら、そろそろ終わりにしよ?
『あと少し』?
…ほんとに、あと少しだけだからね。
(相手を抱きしめる)ギュー
……満足した?
今日1日がんばれそう?
それは、よかった。
じゃぁ、ベッドから下りようね。
ん?なに?
『またしてね』って…。
それは分かんない。
またしてあげるかもしれないし、してあげないかもしれない。
君の
『えぇ~』じゃないよ。
(笑いながら)ほら、ご飯が
君が準備してくるの、待っててあげる。