いちかの百合園
voice:いちかの百合園

彼女の浴衣は彼を欲情させる

ねぇ、ねぇ。
お姉さん。
誰かと待ち合わせ?
よかったら、俺とお茶しない?

なんちゃって…。
今時、こんなナンパの仕方しないか…。

迷ってないか心配で、迎えにきちゃった。

…あっ……やっぱ迷った…?

ごめんね。
分かりにくいとこで待ち合わせしようって言って…。

とりあえず、行こっか。
もうすぐ花火始まっちゃうし…。

(2人、歩き出す)

最後に花火見たのって、いつ?

それって、地元離れる前に3人で見たヤツ?

そっか…。
あの時の花火も綺麗だったよね。

うん。
覚えてる。

今日の花火もあの時くらいおっきいかな?
楽しみだね。

ん?
花火会場とは反対方向だけど、こっちで合ってるよ。

あっちは、人がたくさんいるじゃん?
ただでさえ暑いのに、人が多ければ多いほど更に暑く感じちゃうし、人酔いしそうだし…。
だから、ちょっと離れた穴場で2人きりで見ようと思ってね…。

えぇー!?
俺が道間違えてると思ったの?

ヤダなぁ…。
そこまで方向音痴じゃないよ。

はい。
目的地のビルに到着。

ここのビルのオーナーと知り合いで、「今度、夏祭りに行くんです」って話したら、『屋上開けとくから彼女さんと一緒に花火見ていいよ』って言ってくれたんだ。

中、暗いから、足元に気をつけて。

(階段で屋上に上る)

(花火が始まる)※ 終わりまで花火の音入れてください。

大丈夫だよ。
急がなくても始まったばっかなんだから。

(屋上に到着)

屋上着いたー。

おーっ!
今の花火、おっきかったね。

こっちおいで。
特等席にご案内。

(彼女をバックハグする)

…俺を選んでくれて、ありがとね。

なんか急に言いたくなっちゃって…。

正直、俺は選ばれないと思ってたから。
学生の頃に、女の子たちが話してるの聞いたことがあるんだ。
『どこまで行ってもいい人止まり』とか『仲のいい友達であって、彼氏にはならない』とかって。

まぁ、実際その通りなんだけど…。
嫌われたくなくて、いい人を演じてた。

それが今回に限っては、「裏目に出た…」ってめちゃくちゃ後悔したんだよ。
「きっと君も俺のことは仲のいい友達止まりなんだろうな」って…。

でも、俺を選んでくれた。
都合のいい夢かと思ったくらいびっくりしたけど、すっごく嬉しかった。

ほんとに、ほんとに、ありがと。
大好き。

(触れるだけのリップ音)

ほら。
花火、楽しみにしてたんでしょ?
俺の方見てくれるのは嬉しいけど、花火も見て?
いっぱい綺麗なの、上がってるよ?

(彼女のうなじや耳、首元にキス)※ 複数回してください。

俺のことは気にしないで、花火見てて。
俺は花火よりも目の前の君を見てるから。

だって、目の前に無防備な首元があったら、キスしたくなんない?
特に、うなじとかヤバイ…。

普段隠れてるところだから、そう思うのかも…。

ショートだろうと、ボブだろうと、襟足があって多少なりとも隠れてるじゃん?
それが、髪を()い上げることでモロ見えの状態になってるのって、なんかエッチくない?

んー…分かんないか…。
分かんないなら、分かんないままでいいよ。
俺だけが分かってればいいから。

(濃厚なリップ音)

ん?
どうしたの?
(物欲ものほ)しそうな顔して…。

もしかして、もっとキスしてほしかったとか?

違うって言うわりに、動揺してるのはどうしてかな?

ほんとのこと言ってごらん?
俺の目を見て。

ちゃんと言えたら、いっぱいキスしてあげる。

…ん……よく言えました。

(濃厚なリップ音)※ 長めにお願いします。

ねぇ。
明日って、何か用事ある?

なら、今夜は家に帰さなくてもいい?
てか、帰したくない。
時間が許す限り、ずっと一緒にいたい。

で、今以上に君と仲良くなりたい。

えっと……ちょっと待って。
意味、分かってる?
たぶん、君が思ってる仲良しと俺が思ってる仲良しの意味、違うからね?

君の思ってる『仲良し』って友達とかの『仲良し』って意味でしょ?
そうじゃなくて、俺が言った『仲良し』の意味は、大人な意味での『仲良し』。

ふふ。
分かってくれてよかったよ。

けど、顔真っ赤。
超かわいい。

暗くても分かるよ。
君のことならね。

知らなかった?
俺が(意地悪いじわる)な性格してるって。

ちなみに、(意地悪いじわる)するのは好きな子だけだから。
君だけの特権だよ?

(耳元で)このあと、もっともーっと仲良くなろうね。

(触れるだけのリップ音)※ 省略可