ねぇ。
まだ寝ないの?
もうすぐ日付変わっちゃうよ?
(彼女:「うん。分かってる」)
まさか今日も仕事終わんないからって、俺1人で寝かせたりしないよね?
そんな寂しいことさせないよね?
(彼女:「ごめん。まだ終わりそうにないから、先寝てて」)
(ちょっとイラっとして)……またぁ…?
(彼女:「怒んないでよ」)
これが怒らずにいられる?
俺が1人で寝るの嫌いなの知ってるくせに、毎日毎日『先に寝てて』って…。
嫌がらせにしか聞こえない。
(彼女:「そういうつもりじゃ…」)
そういうつもりじゃないなら、どういうつもり?
ってか、その仕事、ずっとやってるけど急ぎなの?
(彼女:「急ぎじゃないよ」)
急ぎじゃないなら、今やる必要なくない?
寝るのも大事な仕事のうちだと思うけど?
(彼女:「分かってるけど…」)
『分かってるけど』、何?
ここんとこ毎日徹夜してばっか…。
さすがにこれ以上は体壊すって。
限界超える前に休もうよ。
ね?
(彼女:「あと少しだけ…」)
なんでそんなにがんばるの?
無理してまでがんばる必要なんかないじゃん。
今はまだメイクで隠せてるかもだけど、いつか隠せなくなる日が来るよ?
(彼女:「仕方ないよ…」)
全然仕方なくないよ。
ちゃんと寝れば解決するのに、メイクで隠そうとするのが間違ってる。
隠そうとするってことは、ひどい顔してるって自覚してメイクを濃くしてるわけでしょ?
それって、普段以上に肌にストレスをかけてるってことじゃん?
今はスキンケアである程度フォローできてても、そのうちフォローできなくなるよ?
そうなったら、メイクでも隠せなくなるんだからね?
ちゃんと分かってる?
(彼女:「……はい」)
……それに、俺、ヤダからね。
倒れた君の看病するとか。
よくマンガとかであるじゃん。
『3日間ずっと眠ったままだったんだよ』みたいなヤツ。
そんなの、絶対耐えらんないもん。
きっと毎日君の手を握って泣いてる。
不安に押し潰されて、ご飯も喉通らないだろうし、眠るのも怖くなっちゃうだろうし……何も手につかないダメ人間になって、君が起きた時には俺が倒れてるかも…。
それでもいいの?
(彼女:「それは、ヤダ…」)
うん。
俺もイヤ。
だから、一旦仕事やめて、寝よ?
(彼女:「うん」)
ごめんね。
キツい言い方して。
でも、全部君のことを心配してのことだから。
(彼女:「私の方こそ、ごめんね」)
ねぇ、来て。
俺の腕の中。
「ごめんね」のギューさせて?
(彼女を抱きしめる)
(溜息)はぁ…。
落ち着く…。
こうやって抱きしめたの、いつぶりかな?
全然思い出せないや…。
今夜はもう離さないからね。
(彼女:「それは困るよ」)
ダーメ。
離さないったら離さない。
明日の朝、起きるまでずっとこのまま抱きしめてる。
安心して。
エッチぃことはしないから。
疲れてるのに無理はさせらんないでしょ?
まずは体力回復しなくちゃ。
エッチぃことは
ってことで、明日の朝まで我慢してる。
朝になったら、今までいっぱい我慢した分、エッチぃことに付き合ってね。
(耳元で)俺がずっとギューしてるから、逃げても無駄だよ?