さとうしおのサブ
voice:さとうしおのサブ
やぴさん。
voice:やぴさん。
かみしろ
voice:かみしろ

【R15】俺の『初めて』はお前のために

(玄関扉が締まる)

 (彼女:部屋に上がる気配なし)

…いつまで玄関で突っ立ってる気?
上がれば?

 (彼女:「…う、うん。お邪魔します…」)

(吹き出して笑う)ぷっ…ふふ。

 (彼女:「何で笑うの?」)

ごめん。ごめん。
いつもなら何も言わずズカズカ上がるのに、今日は『お邪魔します』とか他人行儀なこと言うから…。

…何?
もしかして、緊張してる?

 (彼女:黙って頷く)

別に初めて家に来るってわけじゃないんだし、今まで通りにしてればいいんだって。

 (彼女:「そんなの無理…。付き合い始めて初めて来たんだもん…」)

あぁ……まぁ…そっか…。
付き合い始めてって意味では俺の家に来るの、初めてか…。

……なんか、お前が俺のこと意識してくれてるの見てると、すっごい嬉しい。
嬉しすぎて、自分で自分抑えらんない…。

(触れるだけのキス → 濃厚なキス)※ 長めにお願いします。

いきなりキスしてごめん。

 (彼女:「初めてのキス、どうだった?」)

……初めてのキスの感想?
んー……イチゴ味じゃないんだなぁって感じ?

 (彼女:「…イチゴ味…?」)

ほら。
よく言うじゃん。
『初めてのキスはイチゴ味』って。
あれを信じてたわけじゃないけど、お前とのキスならそうなのかなぁって、(漠然ばくぜん)と想像してたからさ…。

 (彼女:「なんで?」)

だって、お前ガキの頃からイチゴ味のもの、飲んだり食べたりよくしてたじゃん。
イチゴ飴とか、イチゴ牛乳とか…。
だから、勝手にイチゴ味だと思ってた。

お前は?
俺とのキス、どうだった?

 (彼女:「…気持ちよかった…」)

…そっか。
『気持ちよかった』か…。

俺も気持ちよかった。
気持ちよすぎて、まだ心臓バクバクしてる…。

 (彼女:「キスだけなのに?」)

仕方ないだろ。
俺にとっては、何もかもが初めてなんだから。
お前以外とこういうことしたくなかったし…。

それに、お前と付き合えるようになったのだって、「実はまだ夢なんじゃないか…」って信じらんなくて…。

(彼女にほっぺを抓られる)

いてて…。
痛いって…。
夢じゃないのは分かったから、ほっぺ(つね)るのやめろ。

 (彼女:彼のほっぺを抓るのやめる)

あー、マジ痛かったぁ…。
あとで、覚えとけよ?
今の仕返し、倍にしてやるからな。

(溜息)……はぁ…。

なぁ。
今から大事なこと言ってもいい?

 (彼女:「何?」)

今の俺、いつもの俺じゃないわ。

さっきまでのお前じゃないけど、全然余裕ないし、落ち着かないし……いろいろ限界…。
このままだと、お前のことも無理矢理襲いそう…。

 (彼女:「別にいいよ」)

全然よくないだろ。
…お前にひどいことして、泣かしたくないんだよ…。

あのさ……やっぱ、今日は帰れ。
わざわざ来てもらったけど、今日はもう帰った方がいい。
ごめんな。

これは俺の問題だから。
ちゃんと考えて、落ち着くための時間が必要だわ。

 (彼女:くっついて離れない)

……おい…。
俺の話聞いてた?
荷物持って、さっさと帰れ。

 (彼女:「ここに来る前に覚悟してきたから、帰らない。いいから抱いて?」)

…分かった。
お前の覚悟見せてもらったから、俺も覚悟決める。

なるべく優しくするけど、暴走したら殴ってでも蹴ってでもいいから、力ずくで止めろ。
いいな?

…俺の初めて、お前に全部くれてやる…。

(濃厚なキス)※ 長めにお願いします。