(ピンポンの音)
(玄関扉の開閉音)
(彼女を抱きしめる)
ただいま…。
…びっくりした?
ふふ。
サプライズ成功!
(彼女から体を離す)
うん。
出張は無事終わったよ。
1秒でも早く帰りたい
ところで、今何時?
急いでたから、時間見てなくて…。
……よかったぁ…ギリギリ間に合って…。
クリスマス、どうしても一緒に過ごしたかったから…。
言ったじゃん。
2人で過ごす初めてのクリスマスだって。
こんなグダグダな形になっちゃったけど、少しでも一緒に過ごせて、ほんとによかった…。
ねぇ。
今日は何して過ごしてたの?
へぇー。
友達と女子会してきたんだ。
ゆっくり楽しんでこれた?
そっか。
よかったね。
女子会からの流れで、クリスマスパーティーもした?
…皆それぞれ予定入ってて、できなかったんだ…。
それは、残念だったね…。
……ごめんね。
1人で寂しい思いさせて…。
うぅん。
全然大丈夫じゃないよ。
『さっきまでしょんぼりしてた』って顔に書いてある。
分かるよ。
大好きな彼女のことだからね。
ちょっとした変化も見逃さない自信あるもん。
(彼女を再度抱きしめる)
皆が帰るの見て、『1人はヤダな……早く帰ってきてくれないかな?』って思った?
ふぅーん。
違うんだ。
じゃぁ、なんで耳が真っ赤なのかな?
図星だったからじゃないのかな?
(耳元で)嘘
(耳に息を吹きかける)
ふふ。
いい声出た。
(意地悪な感じで)嘘
寂しいなら『寂しい』って言っていいんだよ?
我慢する必要なんか全然ないんだから。
君って、いろいろ思うことがあっても言わずに我慢する
今回だって、そう。
『行かないで』って思ってるくせに、『仕方ない』で
最初から分かってたよ。
『寂しかった』って。
…
ちょっと素直になるだけなのに…。
まぁ、そんなところもかわいくて好きだよ。
自分の気持ちに
俺には、いくらでも言っていいから。
このくらいのことで「ワガママだ」なんて思うような小さい男じゃないし。
安心してぶつかってきて。
俺の全部で受け止めてあげる。
(彼女と体を離す)
さてと、あとちょっとでクリスマスも終わっちゃうけど、ささやかなパーティーしよっか。
一緒にケーキ食べよ。
ご飯?
それはいいや。
ケーキ食べたあとに食べなきゃいけないモノがあるし、お腹少し
うん。
この世で1番甘くておいしいモノで、俺の大好物。
予約してないけど、いきなりでもOKしてくれるはず。
(耳元で)……だよね?
(耳に触れるだけのキス:省略可)