(幼馴染に対して)おいおい。
まだ寝るなよ。
夜はこれからだってのに…。
酒弱いくせにペース分かってねーんだよなぁ…。
1人で飲み続ける身にもなってみろってんだ。
あ゛ー、マジつまんねー…。
(彼女、登場)
ん?
追加のつまみ?
わざわざ作ってくれたん?
サンキュー。
じゃぁ、2人で飲むか。
コイツ、たった今落ちて、これから1人寂しく飲むとこでさ…。
全然飲み足りないから、最後までコイツの代わりに付き合え。
ちなみに、お前に拒否権はないからな?
だって、彼氏の不始末は彼女が取らないと…なぁ?
お前らが付き合ってることくらい知ってた。
ずっと知らないフリしてただけ。
(話を変える感じで)この続きは乾杯の後で。
ほら!
お前も自分の飲みたいの開けろって。
ではでは、改めまして…。
久しぶりの
ぷはぁー!
んまぁーいっ!
相変わらずいい飲みっぷりしてんな。
お前。
ん?
あぁ、さっきの話?
付き合ってるに気付いたのは、たぶんお前らが付き合い始めてすぐだな。
コイツの雰囲気が明らかに柔らかくなったから。
元々そんなにツンツンしてるヤツじゃないけど、より丸くなったっつーか……当たりが優しくなった感じ?
特にお前に対しては、な。
それ見て「付き合いだしたんだなぁ」って。
俺だけじゃなくて、周りのヤツらも気付いてると思う。
それくらいには、態度に出てて、分かりやすかった。
だから、今のお前が俺は心配。
『なんで?』じゃないっつーの。
……今、幸せじゃないだろ?
短い付き合いってわけじゃないんだし、お前の纏う空気というか、雰囲気ですぐ分かった。
なんか……我慢してる、みたいな…?
うまく言えないけど、そんな気がして…。
俺の勘違いだったら、それでいいんだけど…。
…ふぅーん。
そ。
今の、忘れてくれ。
(ボソッと)……嘘
嘘
ほんとに幸せなんだったら、なんでそんなつらそうな顔してんだよ?
もっと幸せそうにしてろよ。
じゃないと、俺が諦めた意味ないだろ…。
…俺もお前のこと、ずっと好きだった。
知らないのは当然。
ずっと気付かれないように隠してたんだから。
今までの関係を壊したくなくてな…。
ビビって告らずにいたら、コイツに横取りされて…。
ほんとバカだよな、俺って…。
…けど、それも今日までの話…。
コイツと付き合ってて、いろいろ不満があんだろ?
積もり積もって、今にも爆発しそうなんだろ?
…まぁ、答えなくてもだいたい想像つくけど。
ずっとお前のこと見てきたんだ。
何が不満なのかくらい、手に取るように分かるって。
(濃厚なキス)※ 長めにお願いします。
おい。
無駄な抵抗すんな。
大丈夫だよ。
コイツ、1度寝たらちょっとやそっとのことじゃ起きたりしないって。
『でも』も『だって』もナシ。
今お前が望んでることは何?
お前がコイツに対して物足りないと思ってるのは何?
正直に言ってみ?
俺が叶えてやる。
いいじゃん。
言わなくても分かるけど、言わせたいんだって。
お前の口から。
もし、コイツに何か言われたら、俺を
『無理矢理されたの』とか言えば、それっぽいじゃん?
別にいいよ。
お前のためなら
それくらい、お前のことが好き。
分かったか?
ちなみに今の彼氏の座はコイツに譲ってるけど、いつかは俺が貰う。
というか、奪いに行くから、そのつもりで。
それまでは、都合のいい相手は俺のものな?
はい。
次はお前の番。
素直に、言ってみ?
自分の思ってること。
ん。
よく言えました。
(濃厚なキス)※ 長めにお願いします。
…今、余計なこと考えてただろ?
バレバレ。
お前もコイツのほどじゃないけど、分かりやすいんだよ。
いいか?
ほかのことは考えんな。
俺だけに集中しろ。
お前の全てを俺が上書きしてやる…。
(濃厚なキス)※ キスしたままフェードアウトしてください。