(配信の最後の挨拶っぽく)そろそろ終了の時間だね。
今日も楽しい時間をありがと。
また明日、同じ時間に会おうね。
バイバーイ。
(配信終了)
(溜息)はぁ…。
疲れたぁ。
うわっ…もうこんな時間!?
今日は長く話しすぎた…。
ん゛ん゛…喉使いすぎたなぁ。
久しぶりに豆
【部屋のドアをノックする音】
はぁーい。
【ドアが開く音】
配信?
ちょうど終わったところだよ。
コーヒー
ありがとう。
ちょうど
いただきます。
(一口飲む)
…ん?
いつもより甘い?
疲れてると思ったから甘くしてくれたの?
気
(溜息)はぁ…。
優しい甘さが疲れた体に
……どうしたの?
浮かない顔して。
何かあった?
何もなくて、そんな顔するわけないじゃん。
……俺のことでしょ?
それくらい分かるよ。
君との付き合い長いんだし。
…俺には言いにくいこと?
もしかして、無意識のうちに君の嫌がることしてた?
そうじゃないんだ…。
じゃぁ、なんでそんな顔してるの?
『言いたくない』じゃないの。
言いたいことがあるのに我慢するのやめてって言ってるよね。
言ってくれなきゃ、気持ちは伝わらないんだよ。
そうやって我慢して、全然話し合わないで、ちょっとずつ気持ちがすれ違っちゃって、最終的に別れるなんてことになるの、俺は絶対にヤダ。
それでも君はいいの?
…なら、話して?
お願い。
ちゃんと2人で解決したい。
(相槌数回打つ)
配信の時の俺が嫌い?
えっ…なんで?
配信してること自体、イヤだった?
…そうじゃないんだ。
じゃぁ、部屋の外まで声が漏れてたとか?
…それでもないんだ。
なら、なんで配信してる時の俺が嫌いなの?
……『声が違う』?
多少違うかもしれないけど、ほとんど一緒じゃない?
配信してる時も今も…。
全然違う…?
そんなに?
どう違うの?
まぁ、それは仕方ないでしょ。
いい声で届けたいって気持ちがあるから。
配信してる者として…。
それが知らない人の声みたいに聞こえる、かぁ…。
こっちおいで。
いいから、俺の膝の上に座って。
(彼女を抱きしめる)
言いにくいこと言ってくれて、ありがと。
さすがにショックだったけど、ちょっと嬉しかった。
君は俺自身が変えてないと思ってた声の
だから、知らず知らずとはいえ傷つけてごめん。
でもね、これだけは言わせて。
今、この
リスナーは
配信中にはこんなに甘えてるところ見せたことないもん。
こんな俺を見せられるのは君だけ。
っていうか、君にしか見せたくない。
だって、君は俺の特別。
彼女なんだから。
誰よりも俺のそばにいて。
そして、これからも俺の1番の理解者でいてほしい。
…って、最後は俺の願望が
ごめんね。
論点ズレて…。
…ここまで聞いても、やっぱり配信してる俺の声嫌い?
嫌いじゃなくなった?
ほんとに?
俺に気遣って、無理してない?
かわいく思えてきたの?
さっきまで嫌いって言ってたのに、もうかわいいになっちゃうの?
変なの。
まぁ、いいや。
君の笑顔が見れたし。
でも、やっぱり無理って思ったら言って。
その時は配信者辞めるっ!
本気だよ。
もう決めたの。
君をこれ以上傷つけたくないし、君を傷つけてまで続けることじゃないと思うから。
リスナーが全員いなくなっても、君さえいてくれたらそれでいい。
それくらい君のことが大切なの。
分かった?
ふふ…ほんとに、ありがとね。
これからもずっと、俺のそばで応援しててね。