もうすぐ年が明けるね…。
ねぇ……ここ、来て。
そ。俺の膝の間。
俺に向かい合うように座って。
ほら、早く。
初めて2人で迎える年越しだよ?
くっついて迎えたいの。
……ダメだった?
ふふ。
ありがと。
(彼女を抱きしめる)
(溜息)はぁ…。
この1年、あっという間だったなぁ…。
今年は、いろんなことがあったよね。
同棲始めようって決めたのが今年の
君はそんなことしなくていいって言ってたけど、やっぱりこういうのってケジメつけなきゃいけないと思ったから。
大事な娘さんと同棲させてもらうんだもん。
いくら成人してたとしても、何かあってからじゃ遅いでしょ?
今でも
んー、じゃぁ例えば、君に娘がいるとして、その子が自分の知らない間に男と同棲始めてたらどう思う?
イヤでしょ?
それと同じ気持ちを君はご両親にさせるところだったんだよ。
だから、俺はちゃんと君のご両親に挨拶したかったってわけ。
俺はこういう人間で、君に何かあったとしても守っていきますって覚悟を示したかったんだ。
俺の気持ち、分かってくれた?
…よかった。
その後の物件探しは苦労したよね。
お互いにこだわってること譲れなくて、何度も喧嘩して…。
売り言葉に買い言葉で大喧嘩もしたね。
あの時『別れてやる!』って言われて、めちゃくちゃショックだった…。
嘘じゃないって!
ほんとだよ。
今だから笑い話になるけど、君が寝た後トイレにこもって泣いてたんだから。
それくらいショックだったの。
その後、なんとか仲直りして、お互い納得できたこの家を見つけて、同棲始めて…。
それからは毎日幸せだったなぁ。
朝から君の顔が見られるし。
君の手料理が食べられるし。
たまに一緒にお風呂に入れたり。
同じベッドで隣に君の体温を感じながら寝られる。
ほかにも、たくさんあるんだよ。
ほんとに君と同棲できてよかった。
この1年が今まで生きてきた中で1番幸せだったよ。
君は、どうだった?
うん。…嬉しい。
君も俺と同じ気持ちでいてくれて…。
あっ、そろそろカウントダウン始まるよ。
10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…。
(触れるだけのリップ音)
新年
”
ごめん。
君と初めて迎える新年が嬉しくて、かなり浮かれてるみたい…。
(咳払いを1回)
改めまして、明けましておめでとうございます。
今年もいっぱい迷惑かけるかもしれないけど、よろしくお願いします。