【スマホのアラーム音】
ん…
(アラームを止める)
(あくび)ふぁ~
あんなにアラーム鳴ってたのに、まだ寝てる。
ある意味、君、凄いな…。
全然起きる気配ない…。
俺には絶対できないな…。
口、モグモグしてる。
おいしいもの食べてる夢でも見てるのかな?
何、食べてるの?
『ふふん』って。
得意気な顔しちゃって…。
寝顔、間抜けすぎだよねぇ。
でも、そんな所もかわいい。
もう少し見ていたいけど、朝ご飯作らなきゃいけないから。
ごめんね。
(耳元でリップ音)チュ
(ベッドルームからキッチンに移動)
さてと、朝ご飯、どうするかな。
【冷蔵庫を開ける音】
あちゃぁ~。
昨日買い物してくればよかった。
何もないじゃん。
あるのは、卵に、ベーコン、ヨーグルトか…。
パンがあったはずだから、今朝は洋食にするか。
卵はあの子の好きな甘いスクランブルエッグにしてあげよう。
喜ぶ顔が目に浮かぶ。
ふふ。
(調理中)
(彼女が起きてくる)
やっと起きた。
おはよう。
ちょっと待ってて。
もう少しで出来上がるから。
出来上がるまでに顔洗っておいで。
(彼女が顔を洗いに行く)
顔、洗ってきた?
それじゃ、これ持ってって。
俺はコーヒー淹れて持っていくから。
【テーブルにコップを置く音】
それじゃ、食べよう。
いただきます。
ごめんね。
今朝、こんな簡単なものしか作れなかった。
昨日買い物してくるのすっかり忘れてたから、冷蔵庫の中何も入ってなくて…。
おいしい?
それならよかった。
甘いスクランブルエッグ、好きだもんね。
俺、君のその顔好き。
おいしいもの、頬張ってる時の『めちゃくちゃ幸せ~』って顔。
見てるこっちも幸せな気持ちになるもん。
嘘じゃないって。
本当だよ。
あんまりおしゃべりしてないで、冷めないうちに食べちゃおう。
(少し間を開ける)
ごちそうさまでした。
おなかいっぱいになった?
それなら、よかった。
量少ないかなぁって思ってたから。
じゃぁ、片付けしちゃうね。
ん?
手伝ってくれるの?
ありがとう。
でも、このあとデート行くでしょ?
君はいろいろやることあるじゃん。
メイクしたり、服選んだり…。
俺はパパッと着替えちゃえばいいだけだから、ものの5分もあれば完成するけど、君は俺の何倍も時間かかって綺麗になるんだから、片付けは俺がやっておくよ。
ん~、気にしちゃう?
それなら、俺のお願い聞いてくれる?
(耳元でとびきり甘く囁いて)
俺が片付け全部やる代わりに、とびきり綺麗になってきて。
俺が驚くくらい綺麗に。
これなら君も気にしなくて済むでしょ?
うん、期待して待ってるね。
いってらっしゃい。
(彼女がリビングを離れる)
はぁ…。
かわいすぎでしょ。
『手伝うよ?』って上目遣いで首 傾げてこっち見たらダメでしょ。
これからデートに行くって分かってても、襲いたくなる衝動抑えるの必死だった…。
俺、よくがんばった…。
今日は新しい服買いたいって言ってたっけ?
あの子なら何着てもかわいいから、好きな服、いっぱい買ってあげたいなぁ。
いろいろ見て回って『疲れたぁ~』って言いながらカフェで甘い物食べるんだろうなぁ。
『ダイエットしなきゃ!』っていつも言ってるくせに、甘い物に目がないのも、かわいいよなぁ。
ダイエットなんてしなくても十分なのに。
まぁ、あの子が痩せた分、俺の料理でカロリー摂らせて体重維持させればいいだけどの話なんだけど。
さてと、洗い物も終わったし、俺も出かける準備するか。