(玄関扉の開閉音)
(濃厚なリップ音)
…ごめん。
止めなきゃいけないって分かってんだけど、止めらんない…。
久しぶりに会えたってだけで、なんか…もう……ヤバくて…。
……もっと、キスしたい…。
(濃厚なリップ音)
ねぇ。
このままシてもいい?
(彼女:「ここで?」)
ふふ。
ここではヤんないよ?
体痛くなっちゃうだろうし、外に誰がいるか分かんないし…。
(彼女:「だよね。よかった…」)
当たり前でしょ?
この俺が、君の甘い声を俺以外に聞かせるわけないじゃん。
思いっきり愛し合うのは、ベッドで…ね?
(彼女:無言のまま)
…なんで『うん』って言ってくれないの?
(彼女:「ゴム、ある…?」)
…ゴム…?
あぁ、この間使い切ったんだっけ?
(彼女:黙ったまま頷く)
(ドヤァな感じで)ふふん。大丈夫。
こんなこともあろうかと、少し前に買い
いつどんなことが起きてもいいようにね。
こういうのはちゃんとしないとだもん。
(彼女:「……エッチ」)
んー…俺がこんなにエッチぃのは君のせいだよ?
元々エッチだったけど、君と付き合い始めてからもっとエッチくなっちゃった…。
どれだけ愛し合っても、もっと欲しくなっちゃう。
満たされてるんだけど、満たされてない、みたいな?
自分で自分を抑えらんない。
ごめん…もう限界…。
早く君とひとつになりたい。
君は俺とひとつになるのはイヤ?
(彼女:「イヤじゃない…」)
イヤじゃないなら、ベッド行って、いっぱいシようね。
(濃厚なリップ音)
(彼女:「…キス、下手」)
……今『キス、下手』って言った?
どこの誰と比べたの?
(彼女:「比べてない」)
比べなきゃ『キス、下手』なんて言葉出てこなくない?
そっか…そういうことか…。
……なるほどね…。
俺と会えない間に誰かに抱かれた?
そうなんでしょ?
(彼女:「…違…」)
いいよ。
俺は許すから。
浮気してもちゃんと俺の元に戻ってきてくれさえすればね。
で、どんなキスされたの?
教えてよ?
俺も同じようにキスしてあげるから。
(濃厚なリップ音)※ 以下、キスしながら。
ほら。
教えて?
どんなキスされたの?
(彼女:「…嘘…なの…」)
(キス、ここまで)
……『嘘』?
さっきの、嘘だったの?
じゃぁ、浮気もしてないってこと?
(彼女:「してない」)
今でも君の1番は俺?
(彼女:「うん」)
(重めの溜息)はぁ…。
よかったぁ…。
君のことは許すって言ったけど、相手の男は許すつもりは最初からなかったから、「どう
だって、君から誘うはずないのは俺がよく知ってる。
となると、悪いのは相手の男一択じゃん?
勝手に俺の大事な彼女に手出したんだから、それなりにきちんとケジメつけてもらわないといけないよね?
(彼女:「怒ってないって言ったけど、怒ってるでしょ?」)
怒ってないよ。
ほんとに。
怒ってないってば。
ただ、こういう
いい機会だし、こんな嘘を
大丈夫。
そんな
怖いことなんかしないから。
絶対にしない。
約束する。
その代わり、気持ちいいことをいっぱいしてあげる。
もちろん、とことんに決まってんじゃん。
手加減なんかするわけないでしょ。
ドロッドロのグチャグチャで、わけわかんなくなるまで『気持ちいい』でいっぱい溺れさせてあげる。
(彼女:「ごめんなさい…許して…」)
今更謝っても遅いよ…。
(濃厚なリップ音)※キスしたままフェードアウトしてください。