とうとう明日本番だけど、大丈夫……そうじゃないね…。
めちゃくちゃ不安そうな顔しちゃって…。
そんな顔してたら、うまくいくものもうまくいかなくなっちゃうよ?
…話、聞いてる?
(パートナー:何も耳に入っていない様子)
(独り言っぽく)…ダメだ、こりゃ…。
ねぇ。
ねぇってば!
やっとこっち向いた…。
ねぇ。
手、出して。
いいから。
早くする!
(パートナー:手を出す)
ちょっとくすぐったいかもだけど、我慢してね。
(手にマジックで花丸を書き始める)
動かないで。
くすぐったいのは分かるけどさ…。
形が
あーぁ。
動いたから
でも、これはこれで味があっていっか。
(パートナー:「これ、何?」)
『何?』って見てわかるでしょ?
花丸だよ。
は・な・ま・るっ!
今までのがんばりに対する点数。
100点満点!
(パートナー:不安を隠しきれてない様子)
……これでも、まだ不安?
じゃぁさ、一緒に今までのこと思い返してみよっか。
(パートナー:「今から?」)
そ。
今から。
これもひとつの復習だと思って…。
ね?
(パートナー:「…分かった」)
1番最初の頃とか覚えてる?
笑えないレベルで
今だから言えるけどね…。
何をどうすればこの答えになるのか、君の思考を理解するまでめちゃくちゃ苦労したもん。
「とりあえず基礎をちゃんと理解しないと…」って何度も同じことの繰り返ししてたら、君が『もうヤダっ!!』って言い出して逃げようとしたこともあったっけ…。
ふふ。
懐かしい。
なんだかんだ文句言いながらも、
おかげで、苦手だったことをひとつひとつ克服して、得意まではいかないにしろ、正解に
1番最初の頃が嘘だと思えちゃうくらい、すっごい成長したと思う。
だから、怖がるなとは言わない。
いろんなことができるようになると、何が起こるか分かんないから、普通よりも何倍も怖く感じるのは分かる。
けど、怖いのは皆一緒。
自分1人だけじゃない。
ここで、ビビって逃げたら負けだよ。
勝てる勝負で負けるのって
しかも、全力を出さずに負けるとか、立ち直れないレベルで
同じ負けでも、全力出して負けるなら諦めがつくじゃん?
まぁ、
君の今までのがんばりは1番近くで見てきて知ってるから。
この花丸がその証拠。
どうしても『ダメだ…』って弱気になったら、花丸を思い出して。
見たらカンニングと思われるから、思い出すだけね。
『花丸をもらえるくらいがんばってきたんだ』って思ったら、ちょっとはがんばれそうじゃない?
ん。
その調子。
大丈夫。
君は1人だけど1人じゃないよ。
花丸と一緒に全力出しておいで。