(2人で家に帰ってくる)
やっと着いたぁ…。
なんで今日あんなに街混んでたんだろ?
着物着た子多かったし…。
(彼女:「成人式だからじゃない?」)
あぁー、成人式か!
だから、
(彼女:拗ねる)
なーに?
ほっぺ膨らませて。
別に今の「かわいい」に何の意味もないよ?
動物を見て「かわいい」って思うのと同じで、好きとかそういう意味じゃないからね?
(彼女:「…分かってるし…」)
分かってるって言うくせに
そんなに
(彼女:「…嘘…」)
嘘じゃない。
ほんとに。
…こっち向いて。
嘘じゃないって証明してあげるから。
(濃厚なリップ音)
これで、分かったくれた?
(彼女:黙って頷く)
ん。
よかった。
話戻るけど、成人式ってどんな感じなの?
めんどくさくて行かなかったから、知らないんだよね。
(彼女:「そうなの?」)
うん。
偉いオッサンの長話って聞いててダルくなっちゃうじゃん?
だから、行かなかった。
で、君は?
行ったの?成人式。
(彼女:「うん。行ったよ」)
へぇー。
行ったんだ。
着物、着た?
(彼女:「もちろん」)
いいなぁ。
見たかったなぁ。
(彼女:「写真あるけど、見る?」)
えっ!?
写真あるの!?
見たい!
見せて!
(彼女からスマホを借りて写真を見る)
うーわっ……めちゃくちゃかわいい…。
今もかわいいから当たり前なんだけど。
さっきの子たちなんか
(彼女:「それは言いすぎだよ」)
いや、言いすぎなんかじゃないって!
(溜息)はぁ…。
これ
ねぇ。
ここにある写真全部、俺のスマホにあとで送ってくれない?
(彼女:「送ってどうするの?」)
日替わりでロック画面とホーム画面の壁紙変えるから。
(彼女:「…ヤダ…」)
…『ヤダ』…?
ふぅーん。
拒否るんだ。
(彼女:「…何?」)
べっつにぃー?
拒否りたければ拒否ればいいと思うよ?
ただし、何されても文句言わないでね?
(執拗な濃厚なリップ音)
(キスしながら)こら。
唇離すな。
写真送るの拒否る悪い子にお
許してほしければ、俺のスマホに送るって言って。
言うまで続ける。
(執拗な濃厚なリップ音)※ 長めにお願いします。
…よく言えました。
じゃぁ、今ここでスマホに送って?
さっきまではあとでいいと思ったけど、気が変わった。
今すぐ欲しい。
ほら。
やめてあげたんだから、今すぐ送って?
(スマホの通知音)
ん。
たしかに、届いた。
ありがと。
じゃぁ、”せいじんしき”の続き、しよっか。
(彼女:「意味分かんない。ちゃんと説明して」)
んとね、街にいた子たちは「人に
けど、俺たち大人は「人の
これから。
(彼女:顔を赤くする)
ふふ。
真っ赤になった。
食べちゃいたいくらいかわいい。
(彼女:「汚い大人じゃん」)
汚くていいよ。
大人になればなるほど、新成人の頃みたいな純粋さは消え去っちゃったからね。
(耳元で)欲望にまみれた大人はイヤ?
いつまでも純粋な大人がいい?
(彼女:「意地悪…」)
仕方ないじゃん。
君が俺のスイッチ押したんだもん。
スイッチを押された以上、好きな子はイジめたいじゃん?
(彼女:「そんなの押してない!」)
いつ押したか分かんないなら、分かんないままでいいよ。
そんなことどうでもよくなるくらい、いっぱい気持ちよくしてあげるから。
夜にはまだ早いけど……ドロドロに溶け合おうね…。
(濃厚なリップ音)※ キスしたままフェードアウトしてください。