(王子、部屋の扉をノックして中に入る)
突然の訪問、失礼いたします。
私はこの国の王子です。
ただいま、
突然なんですが……その……このガラスの靴を履いてほしいんです。
これは、その時の落とし物で、持ち主を探してるんです。
もし、
どうか、今この場で履いてもらえませんか?
断る…?
それはできませんよ。
これは
国民である
まぁ、拒否することもできなくもないのですが……いくら
脅迫だなんて…人聞きの悪い…。
そんなつもりは
私はあくまで事実を
ふふ。
さぁ。
履いてください。
(シンデレラがガラスの靴を履く → 王子、ぴったりなのを確認する)
……ようやく見つけた。
私の運命の人…。
舞踏会の日からずっと
私の
『舞踏会に行っていない』というなら、どうしてこの靴が
この靴が
人によって、足の幅や指の長さ、甲の高さ、その他諸々…違うんですよ。
特に、この靴に関しては、少しでもサイズが違えば履くことすらできません。
よって、導き出される答えはひとつ。
この靴の持ち主は
これでも、まだ否定しますか?
…やっと認めてくれましたね。
では、一緒に城に行きましょう。
父である国王に、報告しなくては…。
そして、それが終わったら、すぐ結婚式です。
1日も早く
でないと、悪い虫がついてしまいそうで…。
(ボソッと)…ここが都会でなくてよかった…。
この場所を
貴女がとても魅力的だから、私はただ心配なんです…。
あの日、たった1曲しか踊っていない私の心を奪ってしまったんですから。
それに、見るからに貴女はここでは人としての生活をできていないですよね?
こんな場所にいつまでも私の
さぁ。
私の手を取って?
一緒に城に行きましょう。
どうして私の手を取ってくださらないのです?
何か気になることがありますか?
……なるほど。
なら、約束をしましょう。
私は側室を迎えません。
私の妻は
男に
もし、約束を
それほどに
…これでも、まだ私との結婚は考えたいですか?
(「少し時間を欲しい」と言うシンデレラ)
分かりました。
では、とりあえず落ち着くために、城に行きましょう。
それから、ゆっくり私のことを知って、結婚について考えてください。
ね?
シンデレラ。
ん?
あぁ、名前ですか。
まぁ、これでも王子ですし、国民の個人情報なんか見ようと思えばいくらでも見られます。
とはいえ、女性のみの情報を知るといっても、その量は
なので、最初から
(耳元で)秘密です。