あれ?
まだ寝てなかったの?
『先に寝る』って言って、2時間は経ったよね。
どうせ、いろいろ考えて寝れなくなったんでしょ?
…ったく。
しょうがないなぁ。
スマホは没収っ!
いつまでも、スマホいじってるから寝れないの。
よくテレビとかネットでも言われてるじゃん。
『ブルーライトは寝る前に
分かってるなら、どうしてスマホ見てたの?
もうスマホ見るのは終わり!
今から寝るんだから。
ほら、横になって。
いいから。
(※ 以下、ゆっくり話してください。)
(最後まで背中をトントンしながら)
…目、
ゆっくり呼吸してみて。
そう、そう。
上手だよ。
頭の中、何も考えずに空っぽにして。
(少し間を開ける)
毎日がんばってえらいね。
あっ!
こらー!
目開けちゃダメ。
目は
反応もしちゃダメ。
ただ聞き流してて。
でっかい
ね?
…『当然』って、思ったんでしょ。
それって、全然当然なことじゃないんだよ。
がんばることは、誰にでもできることじゃない。
なぜか分かる?
それはね、やり始めたら最後までやり
でも、君はほんとにすごい。
いつも最後までやりきって、やりきるまで一切弱音吐かないんだもん。
かっこいいよ。
すっごくね。
でもね、ずっとかっこいいままでいるのって疲れない?
自分なんだけど、自分じゃないっていうか…。
ほんとの自分じゃなくて、かっこいい架空の自分。
そう!
まるで、物語のヒーローみたいな。
そんな感じ。
だけど、ヒーローもただの人間。
物語で描かれてない部分で、こっそりヒーローからただの人間に戻ってるって知ってた?
その時はかっこいいヒーローはどこにもいない。
たくさん弱音吐いて、めちゃくちゃかっこ悪い姿になってる。
だって、どこかで息抜きしないと、いつか爆発しちゃうんだもん。
風船と同じだよ。
どんどん気持ちが膨らんでいって、限界超えたらパンッってね…。
だから、君もたまには弱音吐いてもいいよ。
寝れなくなるまで、いろいろ考えるくらいならね。
味方がここにいるんだから。
かっこいいヒーロー姿は、外の世界での君。
家ではただの人間に戻って。
君の弱い部分、全部受け止めてあげる。
……あれ?
いつの間にか、寝ちゃってる…。
ふふ。
かわいい寝顔。
いつまでも見てたいけど…。
(あくび)ふぁ…。
もう寝よ…。
おやすみ。
いい夢見てね。