すみませーん。
お届け物です。
ここに、ハンコください。
ありがとうございます。
今日の荷物も、いつもみたいに運びますよ。
重いから、お姉さんが運ぶのはつらいでしょ?
いいんですよ。
俺、慣れてますから。
いつもの、フロアの
今日は違う場所?
そうなんですね。
案内、お願いします。
(荷物を置く部屋へ移動中)
今日は、外、かなり暑いですね。
溶けちゃいそうです…。
でも、ここは空調
あっ………すみません。
俺、少しお姉さんから離れますね…。
だって、汗かいてるから…。
汗臭いでしょ…?
俺。
女性って男の汗臭い匂い、嫌いじゃないですか。
俺、そういうの気付くの
イヤな思いさせてたら、ごめんなさい。
『イヤじゃない』?
ほんとに?
ほんとのほんと?
よかったぁ…。
ここで話相手になってくれるの、お姉さんだけだからイヤな思いさせてたらどうしようって思っちゃいました…。
お姉さんと話せるの、俺の
もし、お姉さんと話ができなくなったら、俺、悲しくて泣いちゃう…。
(笑いながら)…なんちゃって。
でも、俺、お姉さんに会えるの、ほんとに楽しみにしてるんですよ。
お姉さん、
彼氏さんが羨ましいなぁ…。
えっ!?
彼氏いないんですか?
めちゃくちゃモテそうなのに…。
俺ですか?
俺も彼女はいません。
少し前にフラれたんです。
好きな人?
…いますよ。
でも、全然意識されてませんね。
仕事で顔を合わせる程度なので…。
告白なんて、できないですよっ!
今の関係を壊すのが怖いから…。
今の関係が壊れるくらいなら、ずっと今のままでもいいかなぁって、思ってるんですよね。
…あっ、この部屋ですか。
【ドアの開閉音】
どこに置けばいいですか?
部屋の
…了解です。
…よいしょ…っと。
じゃぁ、俺はこれで…。
【緊急地震アラームの音】
地震?
うわっ!危ないっ!
【物が落ちてくる音】
…おさまったかな。
あっ、ごめんなさい。
抱きしめたりして…。
お姉さん、
…よかった、無事で。
俺は平気です。
この程度、なんてことないですから。
(笑いながら)
あの……もう少しだけ、
だって、お姉さん、まだ
結構大きな地震だったから、怖かったでしょ?
いいんですよ。
俺以外見てないから。
いっぱい甘えてください。
(背中トントン)
大丈夫です。
一人じゃないですよ。
俺がついてますから。
お姉さんのこと、絶対守ります。
ん?
『もう大丈夫』?
ダーメ。
まだこのままで、いさせてください。
離したくないんです。
お姉さんを。
『
そんなことないですよ。
やっと好きな人に触れられたんですから。
離したくないのは当然でしょ?
…俺、ずっとお姉さんのこと好きだったんです。
あぁ~、どうしよう…。
気持ち伝えたら好きが
イヤだったら、
じゃないと、俺、自分で自分を
もう暴走しちゃってるけど…。
ふふ。
お姉さん、顔、真っ赤。
めちゃくちゃかわいい。
でもね、その顔、俺以外に見せちゃダメですよ。
(耳元で)…襲いたくなっちゃう。
大丈夫。
ここで襲ったりしないから。
そんなことしたら、俺、ここの担当
そんなの、俺イヤだから、絶対しないです。
でも、もう少しだけ。
ほんの少しだけでいいから。
……お姉さんを
…ありがと。
(抱きしめる)ギュー
ごめんなさい。
お姉さんを困らせちゃいましたね。
ほんとに?
困らせてないですか?
じゃぁ、一つだけワガママ言ってもいいですか?
…目、閉じてください。
襲わないって、さっき言ったでしょ。
俺を信じて。
ね?
(おでこにキス)
襲わないって言ったけど、どうしてもキスしたくて…。
今はおでこで我慢します。
今度は