(2人で帰っている)
今年も無事仕事が納まってよかったっすね。
あとはのんびり新年を待つのみ…。
(しみじみと)…なんかあっという間だったなぁ…。
先輩。
今年1年お世話になりました。
来年は先輩の手を
いや、いや!
俺なんか全然っす…。
まだまだ経験値が足りてないって実感しました。
何をやるにしても、分かんないとこがひとつ、ふたつ出てきて、いつも先輩に助けてもらって…。
…先輩みたいな一人前にはまだまだ遠いっす。
なので、一日でも早く先輩に追いつくために、やれることは何でもやってバリバリ経験値を稼いでいきますっ!
こんなに積極的になれるのは先輩だからっすよ。
先輩がついててくれる安心感半端ないっすから。
ちゃんと俺のこと見ててくれるからやりたいことやれる、みたいな…。
(ドヤァな感じで)しごでき彼氏目指してるんで楽しみにしててくださいね。
……何年先になるか分かんないけど…。
絶対になりますっ!
あぁー!
信じてないっしょ?
(ちょっと拗ねて)いいもん。
めちゃくちゃがんばって、部署のエースになって、ちやほやされてる俺を見て、嫉妬すればいいんだ。
あっ!
話変わるんすけど、先輩年末年始の予定って空いてます?
いやぁー……実家に帰ったりしないのかなぁと思って…。
暇なんすか?
ほんとに?
だったら、一緒に過ごしませんか?
クリスマスはお互い仕事で一緒に過ごすどころじゃなかったし…。
もしよかったら一緒にいられるかなぁ、みたいな…。
どうっすか?
いいんすか!?
じゃぁ、俺の家で一緒に過ごしましょ。
大晦日の昼に迎えに行くんで、俺の家に行く途中でスーパーで適当に買い出しして、夜に年越しそば食べて、カウントダウン始まるまでサブスクで動画観て、一緒に年越して……ふふふ。
……一緒にスーパー行ったり、年越しを過ごしたりするのって、なんだか新婚さんみたいだなぁと思ったら、嬉しくなっちゃって…。
(ボソッと)……早く先輩と一緒になりたい…。
あっ!?
今のナシっ!
アリだけど、ナシっ!
(しゅんとして)……聞かなかったことにしてください。
同棲もまだなのに、プロポーズっぽかったし…。
それも、すごい中途半端な感じの…。
全部が納得できてないので、一旦聞かなかったことにしてください。
いつかきちんとしたプロポーズするんで、もう少しだけ待っててもらっていいっすか?
んー……あと2年くらい?
2年経っても、先輩はおばさんにはなんないっすよ。
いつまでもお姉さんっす。
周りがどう言おうと関係ないっす。
俺がお姉さんって言ったらお姉さんっす。
永遠に俺だけの綺麗なお姉さんっす。
(後輩、先輩に口元を手で押さえられる)
(口元を押さえられて)むぐっ!?
ちょっ!?
手、放してください。
(後輩、解放される)
…もう。
今の流れならキスしていいはずっすよね?
周りには誰もいないんすから…。
(拗ねて)……むぅ…。
ケチ…。
(先輩の家に到着)
あーぁ、もう着いちゃった…。
名残り惜しいけど、今日は大人しく帰ります。
ただし、年越しの時は容赦しませんからね。
(耳元で)…今日のツケは高いっすよ。
じゃ。
また連絡します。
おやすみなさい。
(後輩、帰る)