(玄関扉の開閉音)
ただいまー。
えっ……どうしたの?
なんで高校の制服なんか着てんの?
……『クローゼットの奥から出てきた』…?
だから着てみたの?
(嬉しそうに)ふぅーん…。
……ねぇ。
こっち来て。
(彼氏、彼女を抱きしめる)
ん?
嬉しそうに見える?
そう見えるのは、高校の頃を思い出してたからかも。
覚えてる?
俺たちさ、1・2年の時同じクラスだったけど、必要最低限の会話しかなかったじゃん?
「おはよ」とか「次、移動教室になったよ」とか…。
ほんとはもっといろんなこと話したいのに話しかけるタイミングがなかなか掴めなくて、少しでも話せるチャンスを作るためにわざと提出物出さなかったりしてたんだよ。
『提出物は締切までにちゃんと出して!』って君に何度も怒られたのも、今となってはいい思い出。
そうだよ。
知らなかった?
大人になった今だから言えること…かな。
子供だったかから、あんな幼稚なことしか思いつかなかったけど…。
…テストの成績?
真面目に提出物を出さないくせに、実はクラストップだったよ。
ほんと。ほんと。
いつ、君に質問されても何でも答えられるようにするために勉強だけはがんばった。
なのに、君ときたらほかのヤツに聞きに行くんだもんなぁ…。
あれ見た時は、泣きそうだった…。
まぁ、必要最低限以上の会話がなければ成績がどうとか知らないもんね。
あっという間に時間は過ぎて、3年になったらクラスが分かれて…。
寂しかった…。
成績もちょっと落ちたし…。
近くに好きな子がいない状態でやる気維持するとか、普通に無理。
(ドヤァな感じで)俺は好きな子を原動力にしてやる気出すタイプだから。
ぶっちゃけ、クラスが離れたせいもあって、3年になってすぐくらいはちょっと焦ってた。
君に好きな人ができたらどうしよう…、って。
で、運命の体育祭。
かっこいいとこ見せようと張り切りすぎて、クラス対抗リレーで俺が派手に転んで怪我して…。
救護テントに行ったら、保健委員の君が手当てしてくれて…。
その時に君から声掛けてくれた。
『かっこよかった』って。
えぇー!?
覚えてないの!?
1番大事なとこじゃん!
俺、覚えてるもん。
あの時のこと。
将来ボケたとしても、これだけは忘れずにいると思う。
…それくらい嬉しかった。
そのまま気持ちが
ムードの欠片もない中で…。
あの時の告白はやり直したい…。
えっ……今から告白のやり直しすんの!?
恥ずかしいんだけど…。
ん゛ー……分かった。
(彼氏、彼女から体を離す)
(彼氏、深呼吸1回)
1年の時同じクラスになった時からずっと好きです。
俺と付き合ってくれませんか?
(彼女、OKする)
(彼氏、彼女を再び抱きしめる)
ヤバい…。
すでに付き合ってるからOKなのは分かってても、あの時よりも今の方が好きすぎて気持ちが爆発してる…。
…ねぇ。
このまま君のこと抱いていい?
分かってる。
制服は汚さない。
ただ、制服って普通にエッチぃじゃん?
(言いにくそうに)だから…その……何が言いたいかというと……悪いことしてる気分になって、いろいろいつもより倍増しちゃうかも…。
へ、変態!?
仕方ないじゃん。
俺はスーツで、君は制服。
先生と生徒の禁断の愛っぽくて、燃えるじゃん?
それに、高校時代に憧れてたんだもん…。
制服エッチに…。
(触れるだけのキス)
君の制服姿はあの頃から俺を変態にさせちゃう…。
つまり、俺が変態なのは君のせい。
…俺のこと変態にした責任、取ってくれるよね…?
(濃厚なキス)※キスしたままフェードアウトしてください。