自分にできる範囲で甘やかす年下パートナー

(パートナーがリビングにやって来る)

お疲れ様。
作業終わった?

そっか…。
まだ残ってるんだ…。

(パートナーが飲み物を淹れようとしている)

…飲み物淹れるの?

なら、ソファーに座ってて。
淹れるから。

いいの。いいの。
で、何淹れるつもりだったの?

ん。
了解。

すぐ淹れるね。

(以下、飲み物を用意しながら)

なかなか大変そうだけど、無理してない?

ほんとに?

顔に疲れがにじみ出てるよ?

今更隠してもダメ。
見ちゃったもん。

まぁ、隠されても見抜いたけどね。
いつもと違う受け答えだったり、仕草だったりで…。

そりゃ、大好きな人のことだもん。
大きな変化だろうと、小さな変化だろうと見逃したりしないよ。

はい。
お待たせ。

(パートナーの前に飲み物を置く)

とりあえず、今はこれでも飲んで、ゆっくりして。
このあとの続きのために。

……ちなみに、あとどれくらいで終わりそう?

ふぅーん。
そんなにも…。

なかなかヘビーな感じだね…。

じゃぁ、ちょっとだけ元気のお裾分け。

(パートナーを抱きしめる)

(恥ずかしそうに)……ギューしてる間だけは匂い嗅いでもいいよ。
いつもは恥ずかしくてダメだけど、今だけは許してあげる。

ストレス溜まってたり、疲れてる時は自分の好きなものの匂いを嗅ぐのがいいんだって。
それが、パートナーだと、より効果的らしいよ。

だから、いっぱい嗅いでいいよ。
で、溜め込んだストレスとか疲れとかを少しでも減らして。

……君への応援のつもりだから…。

だって、疲れてるからって、代わってあげることもできない。
今でも十分がんばってるのに、これ以上「がんばって」なんて言えない。
頭フル回転させて思いついたのは、君のストレスを少しでも減らしてあげるために、自分の匂いを嗅がせてあげること。

こんなことしか思いつかなくてごめんね。

えっ……ほんと?
ほんとのほんとに、ストレス減った?

…なら、よかった。

「無理しないで」って言っても、君の性格上できないのは分かってる。
だから、せめて1時間に5分でいいから休憩して。
そうすれば無理しすぎることもないでしょ?

……休憩してくれるなら、匂い嗅いでいいよ。

うん。
ほんと。
そしたら、ストレス減るし、作業効率も爆上がりだし、一石二鳥…………いや、三鳥か…。

(嬉しそうに)待ちぼうけにならずに1時間に5分だけ君に会える。

待つのは嫌いじゃなくても、やっぱり……ね…。
放置プレイは、ちょっと…。

(無理矢理話を変えるように)と・に・か・く!
自分ではそこまで無理してないようでも、体は知らない間に悲鳴をあげてるの。

いい?
約束だよ?

(パートナーが部屋に戻ろうとする)

……もう戻るの?

ん。
分かった。

何かサポートできることがあったら連絡ちょうだい。
お茶汲みでも、コンビニまでのパシリでも、何でもやるよ。

また1時間後。
この腕の中に戻ってきてくれるの、待ってる。

…ここは君専用の特等席だからね。