(ラブホのベッドの上にて)
(荒い息遣い)
疲れたぁー!
けど、心地いい疲れって感じ。
こんなの、初めてかも…。
ほんとだって。
体の相性いいのかもね。
俺たち。
いやいや。
こんなこと、誰にでも言うわけないじゃん。
ワンナイトな関係なのに…。
基本、相手にその気があるようなことは言わない。
後腐れないようにしてないと、ストーカーになられて、つきまとわれても面倒だしね…。
下手して、事件なんかに巻き込まれるとか、最悪じゃん?
俺は、変わり映えのない日々の中で、その日限りの女の子と気持ちいいことして楽しみたいだけなの。
『今の』?
今のは……今まで散々遊んできた中で、今夜のエッチがダントツに気持ちよかったからさ…。
相手してくれてありがとうの気持ちを伝えたかっただけ。
あーぁ……こんなに気持ちいいエッチすんの、今回だけかぁ…。
ワンナイトで終わらせるの、もったいないなぁ…。
ん?
彼女?
いない。いない。
いたら、こんなことできないでしょ?
(ふざけた感じで)年齢=彼女いない歴でぇーす。
そ。
昔っから、特定の相手を作る気はないよ。
特定の相手を作ったら、その子とだけしかエッチできないじゃん?
それって、飽きちゃわない?
その子にも、その子とのエッチにも…。
ふぅーん。
『好きだったら飽きない』ねぇ…。
俺には無理だな…。
一人だけを好きでいるとかできないタイプだもん。
えっ……君が彼女に……?
やめてよ。
たちの悪い冗談は。
言ったでしょ?
特定の相手を作る気はないって。
俺は、まだまだいろんな子とエッチしたり、遊んだりしたいの。
どんなに体の相性がよくても、それまでの関係だよ。
彼女にはしない。
絶対にね。
……その顔、納得してない感じ?
(めんどくさそうな溜息)はぁ…。
(何かを思い出したように)あっ……。
じゃぁ、分かった。
最高に気持ちいいエッチできたから、君にチャンスをあげる。
俺ね、ついこの間セフレと別れちゃったんだ。
相手の子に彼氏ができちゃって…。
で、今セフレいないからさ……君さえよければ、セフレにしてあげる。
ただし、条件がふたつ。
ひとつ、君から俺に連絡を取るのはナシ。
連絡は俺からのみ。
ふたつ、絶対に俺のことを好きにならないこと。
もし、好きになっちゃったら、その時点でセフレの関係終了。
どう?
セフレになる?
まぁ、かなり厳しい条件ではあるね。
でも、俺の特別になりたくないの?
『彼女にして』って言い出したくらいだし、特別になりたいんでしょ?
言っとくけど、ほかの子はセフレにすらなれないんだよ?
一夜限りなんだよ?
なのに、君は、俺の気分次第で何度も会えて、エッチもできる。
この差、デカくない?
セフレになるも、ならないも、君次第。
どうするのが1番後悔しないのか、1番正しいのか。
自分のことなんだから、よーく考えて。
……考える暇があればね…。
(激しめの濃厚なキス)※キスしたままフェードアウトしてください。