(外はザーザー降りの雨が降っている)
(眠そうに)ん……おはよ…。
今、何時?
(彼女:「まだ7時。二度寝する?」)
うぅん。
二度寝しない。
今日はちゃんと起きる…。
デートだもんね。
(彼女:「デートね…行けなくなっちゃった…」)
(一気に目が覚めた感じで)えっ!?
『行けなくなった』って、どういうこと!?
急な用事でも入ったの?
(彼女:「外、どしゃ降り」)
どしゃ降り!?
嘘!?
(窓を見る)
うーわ…最悪…。
昨日の天気予報じゃ、『雨が降る』なんて言ってなかったのに…。
こんなことなら、てるてる坊主作っとけばよかった…。
(溜息)はぁ…。
デートしたかったなぁ…。
……ねぇ。
雨降ってるけど、ちょっとだけお散歩しない?
(彼女:「…お散歩?」)
そ。
お散歩。
1日中家に
だから、お散歩しよ?
ほんのちょっとだけ……ね?
(彼女:「濡れるからダメ」)
えぇー!?
んー……だったら、お買い物!
それなら、行かなきゃいけなくない?
ご飯作るのに必要な材料で足りない物あるでしょ?
それ、買いに行かなきゃダメだよね?
ご飯作れないもんね?
着替えたら、一緒にお買い物行こ?
(彼女:「ダメ。冷蔵庫の中の物で作るから大丈夫」)
(拗ねて)むぅ…。
行きたい!行きたい!行きたい!
外に行きたーい!
雨降っててもいいじゃん。
待ってたって
それに、これくらいの雨だったら足元が濡れるくらいでしょ。
もっと濡れたとしても、帰ってきてお風呂に入れば解決するだけの話じゃん?
(彼女:「だとしても、ダメなものはダメ」)
何でもかんでもダメばっかじゃ、つまんないっ!
外に行きたいっ!
デートっぽいことしたいっ!
(彼女:「じゃぁ、お家デートする?」)
……お家デート?
それって、遠回しに『今日は1歩も外に出ない』って言ってない?
(彼女:「そういうことになるね」)
そんなのヤダよぉ…。
マジで無理…。
外に出なきゃ死んじゃう…。
…けど、今日はお家デートで我慢する。
ワガママばっか言って、嫌われたくないもん…。
でも、次はお出かけデートだからね?
約束だよ?
(彼女:「いいよ」)
じゃぁ、まずはこっち来て。
俺の腕の中。
(彼女を抱きしめる)
こっち向いて?
…キス、しよ?
(触れるだけのキス → 濃厚なキス)
たまにはお家デートも悪くないね。
朝から時間を気にすることなく、イチャイチャできるし。
(彼女:「やけに素直だと思ったら、こうなるように仕向けたんじゃないの?」)
ヤダなぁ。
言ったでしょ?
「ワガママばっか言って嫌われたくない」って。
別に最初からこうなるように仕向けてたわけじゃないもん。
考えすぎ。
(彼女:「まぁ、いいや。掃除してくるから離して」)
はい、ストーップ!
今日は家事もお休み。
だって、お家デートだもん。
家事してたら、いつもと変わりなくて、全然デートじゃなくなっちゃう。
どうしても家事がしたいなら、家事の代わりに俺の世話焼いて?
(彼女:「君の世話…?」)
普段あんまり一緒にいられないんだし、今日くらいはずっと一緒にいたい。
トイレは……仕方ないにしても、ご飯も、お風呂も、寝る時もずっと一緒。
(彼女:「ヤ…」)
ヤダは却下。
お家デートって言い出したのは君なんだもん。
言い出しっぺが言い出したこと曲げるのは反則でしょ?
ってことで、ここからはさっきの続きしよ?
もう我慢できなくなっちゃった。
(彼女:「朝からなんて…」)
朝からだけど、大丈夫だよ。
雨音がかき消してくれるし。
心配することなんか、何もないよ。
…ね?
(濃厚なキス)※ キスしたままフェードアウトしてください。