おかえりー。
うわっ……びっくりした…。
どうしたの?
いきなり抱きついてきて…。
『抱きしめさせて』って…。
いいけど、ちょっと待って。
キッチンだと熱いお鍋とか包丁とかあって危ないから、ソファー行こ。
いい?
(キッチンからソファーへ移動)
よいしょ…っと…。
はい。
おいで。
(相手を抱きしめる)ギュー
お疲れ様。
今日もたくさんがんばったね。
最近触れ合う機会がなかったから、つらくなっちゃったのかな?
いっぱいギューってしていいよ。
ん?
『何も聞かないの?』って、何か聞いてほしいことでもあるの?
君が自分から言い出すまでは何も聞かないよ。
だって、言いにくいことかもしれないし、思い出したくないことかもしれない。
そういうの、覚悟ができてないとつらくない?
『自分がされてイヤなことは人にやっちゃいけません』って小さい頃
だから、君が話を聞いてもらいたいって思うまで、何も聞かないよ。
イヤなことを話す覚悟ができるまで、何も聞かずにただ側にいる。
それが今自分にできることかなぁって。
へへ。
ちょっといいこと言ってみた。
ねぇ……力いっぱいギューしてもいい?
(相手を力いっぱい抱きしめる)ギュー
痛い?
ごめん、ごめん。
ちょっとやりすぎちゃった…。
あのね、好きな人とこうやってギューってするの、ストレス解消になるんだって。
知ってた?
…知ってたんだ。
自慢げに言っちゃって、めちゃくちゃ恥ずかしい…。
あんまりこっち見ないで。
変な顔してるから…。
笑わないでよ。
もぅ…。
でも、やっと笑ってくれてよかった。
(相手の背中をさする)
また、つらいなぁって思ったら、今日みたいにギューしてあげるから。
いつでもおいで。
全然迷惑なんかじゃないよ。
この腕の中は君だけの特等席なんだから、いつ来てもいいんだよ。
迷惑とか考えなくていいから。
遠慮もしちゃダメ。
…いい?
よしっ!
気持ちが落ち着いたら、ご飯にしよ。
今日は君の大好きなもの作ってたんだよ。
何作ってたかは、ひ・み・つ。
ほら、早く着替えておいで。
ご飯の準備しておくから。
で、ご飯食べたらお風呂一緒に入って、寝るまでずっとギューね。
…今夜は、癒しの特別フルコースだよ。
とことん癒してあげるから、期待してて。