(咳こむ)ゴホッ、ゴホッ…。
あ゛~、頭痛い…。
うぅ…
もしかして、熱上がってきたかな?
マジで最悪…。
久々のデートだったのになぁ…。
暑いからって、エアコンの温度下げなきゃよかった…。
『気にしないで』って返事きてたけど、絶対落ち込んでるよな…。
元気になったら、なんか
【インターホンの音】
ん?
こんな時に誰だよ…。
動きたくない時に
【玄関を開ける音】
えっ…なんで君がここにいるの…?
いや……全然ダメじゃないけどさ…。
まさか来てくれると思ってなかったから、めちゃくちゃ驚いてる。
部屋、
今日はどうしたの?
食べる物…?
何もないよ。
冷蔵庫の中は水と酒しか入ってないから…。
…『だと思った』って?
うわっ…わざわざ買ってきてくれたの?
俺の好きな物ばっか…。
ありがと。
嬉しい。
さすが俺の彼女。
俺のこと、なんでも分かってるね。
薬?
まだ飲んでない。
薬飲むためには、何か食べなきゃいけないけど、食欲なくて…。
お
食べる!
食べたい!
君の手料理、久しぶりだなぁ。
あっ、そうだ!
作ってる間、君にくっついててもいい?
久しぶりに会えたんだし、ずっと一緒にいたいから。ね?
えぇ~!
ベッドで寝て待ってなきゃダメなの?
うぅぅ…
…分かったよ。
じゃぁ、ちょっとだけ寝てるね。
お
(少し間を開ける)
ん…。
いい匂い。
お
…って……何、その服…。
だって、さっき着てた服と違うじゃん。
それ、ナース服でしょ?
持ってきたの?
『せっかくだから
めちゃくちゃかわいいじゃん。
くるっと回ってみてよ。
いいね。
すごく似合ってる。
ねぇ。
こっち来て。
ギューってさせて。
(彼女を抱きしめる)ギュー
ん?
離さないよ。
だって、俺だけのかわいい看護師さんが、
ギューってしたくなるじゃん。
んー、かわいいなぁ。
でも、俺としてはもう少しスカート
病人を
もっと優しくしてくださーい。
えへへ。
でも、ほんとに嬉しい。
たまには、こういう刺激もあっていいかもね。
あのさ…せっかくだから、甘えていい?
…お
いいじゃん。
今日だけの特別。ね?
…やった!
俺、猫舌だからフーフーしてね。
あーん。
……おいしい。
もう
あーん。
ごめんね。
もういいや。
おなか、いっぱい。
ごちそうさまでした。
薬?
…ヤダ。
だって、
ヤダ。
絶対飲まない。
ちょっ…何する…!?
ん…。
(水を口移しされる)
ぷはっ…。
『そうさせたのは俺』って?
いや、いや。
やったのは君じゃん。
俺が『して』ってお願いしたわけじゃないもん。
でもさ、君に看病してもらえるなんて思ってもみなかったから、ちょっと元気出てきた。
ありがとね。
(不服そうに)…ねぇ、なんで寝かそうとするの?
ヤダよ。
俺、寝ないよ。
君がいるのに寝るなんて、もったいないじゃん。
もっといっぱい話したいもん。
それに、一人で寝るの、寂しいからヤダ…。
君が一緒に
…お願い。
一緒に寝て?
いいの!?
じゃぁ、お布団入って。
ふふ。
久しぶりに一緒に寝るね。
なんだかドキドキしてきちゃった。
(彼女を抱きしめる)ギュー
今日はほんとにごめんね。
久しぶりのデートだったのに…。
『一緒にいられるだけで十分』って…。
君って、俺を喜ばせる天才だよね。
欲しい言葉をいつもタイミングよくくれる。
ほんとにありがと。
今の俺には、君を抱きしめることしかできないけど、元気になったらいっぱいお返しさせてね。
大好きだよ。