チョコのキスで溶け合って

(玄関扉の開閉音)

A:ただいまぁー。

B:おかえり。

A:見てみ、これ。
  紙袋いっぱいのチョコ。

  重すぎて腕が(千切ちぎ)れるかと思った。

B:(嫌味ったらしく)……すごいね。
  最高記録なんじゃない?

A:そうかも。

B:よかったね。

A:よくないって。
  お返しの用意とか、普通にめんどくさい。

B:だったら、貰わなきゃよかったのに…。

A:もちろん、「いらない」って丁重に断った。
  なのに、無理矢理押し付けてくるんだよな…。
  女子って…。

B:それだけ女の子たちも本気なんじゃない?

A:本気だとしても、自分の気持ちを押し付けるのはどうかと思うわ…。

  ってか、なんか機嫌悪い?

B:別に。

A:ほら。
  やっぱ機嫌悪いじゃん。

B:機嫌悪いわけじゃないし。
  ほっといてよ。

A:ほっとけるわけないだろ。

  …俺、なんかした?

B:(感情的に)ほっといてって言ってんだから、ほっといてよ!

(A、Bを抱きしめる)

B:ちょっ…!?
  離して!

A:…やだ。
  全部話してくれるまで離さない。

B:じゃぁ、ずっとそうしてれば?

A:うん。
  そうする。

(少し間を空ける)

(B、小さく溜息)

B:……チョコ、いっぱい貰って嬉しそうにしてるじゃん…。

A:そんなことないけど?

B:そんなことなくない。
  ニヤニヤしてたもん。

A:あ゛ぁ゛ー……それは、その……ごめん。
  お前が嫉妬してくれるかなって期待してて……顔に出た…。

B:……嫉妬した。
  めちゃくちゃした。

  ……今もしてる。

A:だよな。
  ほんとに、ごめん。
  悪ふざけがすぎた。

  あのチョコは捨て…。

B:(Aのセリフに被せるように)なくていいよ。

A:なんで?
  あれがあるから嫉妬したんだろ?

B:それはそうだけど、チョコには罪はないから。
  あのチョコの山は責任もって僕が食べる。

  …食べるからってお返しの準備はしないからね?

A:それはもちろん。
  俺が貰ってきたんだし、自分で準備する。

B:…君が食べるのは僕が用意したチョコだけ。
  それ以外は許さない。

  ……ほんとは朝渡すつもりだったのに、遅くなってごめんね。
  ハッピーバレンタイン。

(B、Aにチョコを渡す)

A:今食べてもいい?

B:このあとご飯だよ?

A:それはそれ。
  これはこれ。

  どっちも、ちゃんと食べるから。

B:…仕方ないなぁ。

(A:チョコの包装を破き始める)

B:(自分に呆れたように)ほんと、君には甘くなっちゃう…。

A:いただきます。

  んっ!?
  (チョコを頬張ったまま)んまい!

B:よかっ……ん!?

(A、Bに濃厚なキス)※長めにお願いします。

A:な?
  うまいだろ?

B:……おいしいのは分かったけど、いきなりキスとか…。

A:(イタズラっ子っぽく)物欲しそうな顔してたから、つい。

B:そんな顔してない!

A:してるって。

  …俺とのキス好きじゃない?

B:好きだけど…。

A:『だけど』……何?

B:今はしちゃダメというか…。

A:なんで?

B:…そういう気分になっちゃう…。

A:最近全然なかったもんな…。
  エッチぃこと。

B:…分かってるなら、やめて。

A:やだ。
  このまま続きシたい。

B:それは僕も同じ…。

A:なら、よくない?

B:よくない。

A:…俺と一緒にチョコみたいにドロドロに溶け合いたくない?
  気持ちいいこと、いっぱいしたくない?

B:……その言い方、ズルい…。

A:ズルい、ズルくないってことを聞きたいんじゃなくて…。

  俺とシたいか、シたくないか……どっち?

B:……シたいに決まってる…!

(B、Aに濃厚なキス)

(B、エッチぃスイッチon)

A:いっぱいシたい?

B:シたい。

A:いっぱい気持ちよくなりたい?

B:なりたい。

A:…今、何してほしい?

B:チョコを一緒にキスしながら味わいたい。

A:さっきの、気に入ったんだ?

B:うん。
  いっぱい、あのキスしたい。

A:キスだけじゃなくて、エッチも……な?

B:……うん。

(チョコを食べる → 濃厚なキス)※キスしたままフェードアウトしてください。