(パソコンのキーボードを打つ音)
よしっ!
(背伸びしてる感じで)んんーっ!
(独り言っぽく)ちょっと休憩…。
(パートナーが近づいてきて、声をかけてくる)
うん。
とりあえず、ひと区切りって感じかな。
でも、まだまだ残ってるから、休憩したら続きやらなきゃ…。
……コーヒー淹れるの?
なら、一緒に淹れてほしいっ!
うぅん。
今日はいつものじゃなくて、砂糖もミルクも多めで。
無理?
してない。してない。
……と言いたいとこだけど、ここから動きたくないし、いつもより甘ぁーいのが飲みたい気分だから、そこそこ無理してるのかも…。
うん。
分かってる。
無理して倒れないように、しっかり休憩とりつつやるよ。
(パートナーがコーヒーを淹れて持ってくる)
甘えちゃってごめんね。
ありがと。
(ひと口飲む)
んーっ!
これだよ!
これ!これ!
この甘さが欲しかったんだよ。
あぁ……体中に染み渡るぅ…。
『年寄りくさい』って言わないでくれる?
最近年齢を感じることが多くなって、切なくなってるのに…。
『たとえば』?
階段の上り下りだったり、ほんの少し走っただけで息があがるし、何もないところで
学生の頃はなかったんだけどなぁ…。
ってかさ、コーヒーいつもと同じやつ?
なんか味が違う気がして…。
大好きな人がわざわざ淹れてくれたから、違うように感じたのかも。
今度から作業の時に淹れてもらおっかな?
…なーんてね。
(パートナーが自分を抱きしめてくる)
……どうしたの?
いきなりギューなんかしてきて…。
ギューしてくれるのは嬉しいけど、これじゃコーヒー飲めないよ。
うぅん。
ギューされてイヤなわけない。
…嬉しすぎて、離れたくないくらい。
いやいや。
そうは言っても離れるよ?
さっきも言ったでしょ?
続きやらなきゃいけないんだって。
君からのギューは嬉しいし、ずっとしててほしい。
でも、それは全部終わった時のがんばったご褒美に取っておきたいんだけど…ダメ?
今じゃなきゃダメなの?
絶対に?
……(諦めた溜息)はぁ…。
……ん。
(パートナーを抱きしめる)
(パートナーの匂いを胸いっぱいに嗅ぐ)
……どうしよう…。
君の匂いを嗅いだだけでコーヒーなんか比じゃないくらい、ストレスとか疲れとか、ありとあらゆるものがドロドロに溶けてなくなってってる…。
作戦、成功…?
最初からこうするつもりでいたの?
(パートナーの胸に顔をうずめながら)……君には負けたよ…。
(再度パートナーの匂いわ胸いっぱいに嗅ぐ)
好きな人の匂いってこんなにも癒しの効果があるんだね。
癒し効果があるのは知ってたけど、ここまですごいとは思ってもみなかった。
今度から君を隣に座らせて作業しよっかな。
そしたら、君の匂いを適度に嗅げるから、作業効率を落とすことなく永遠に作業できるでしょ?
エナドリ飲んで無理矢理がんばるよりも健康的だし、よくない?
(パートナー、ごねる)
そこをなんとか!
(パートナー、『検討する』と言う)
検討してくれるの?
ふふ。
じゃぁ、いい返事待ってるね。
(パートナーから体をはなす)
さてと。
やる気も充電したことだし、もうちょっとだけがんばろっと!
全部終わったらきっと疲れ果ててるはずだから、またギューと君の匂いで充電させてね?